小田切 訓

小田切訓は現代日本を代表する風景画家です。

北海道のオホーツク海沿岸にある小さな町に生まれ、幼少期から砂浜で絵を描いていました。明治大学卒業後は、画家として様々な展覧会へ作品を出品し入賞しています。1979年には現代洋画精鋭選抜展で銅賞、さらに同年の第11回日展で初入選となりました。日展ではその後も入選を獲得しています。2015年には紺綬褒章を受章しました。

作品の多くは、ヨーロッパもしくは日本の風景画となっています。小田切作品の特徴といえば、「小田切グリーン」とまで呼ばれる鮮やかな木々の緑です。まるで本物の風景を切り取ってきたかのように描かれたリアリティのある作品は、まさに小田切ならではといえます。また運河をモチーフとした作品も多く、日常の一角を感じさせる緻密に描かれた船と、揺らめく水面に映る風景は、訪れたことがなくともどこか懐かしさを感じるような仕上がりとなっています。

近年は夜景や遠景など、新たな構図・色合いの作品にも挑戦しており、その進化は75歳を過ぎた現在も続いています。