ジャン・モワラス

ジャン・モワラス(Jean Moiras)は、1945年にフランス中部シャマリエールで生まれた現代フランスを代表する画家の一人です。独特の質感表現と詩的な世界観で知られています。

若き日は映画やテレビ、舞台美術の制作に携わり、ニキ・ド・サンファルやジャン・ティンゲリーら著名芸術家の制作にも参加しました。この時に培われた空間構成力や照明効果の感覚が、のちの絵画表現の大きな基礎となっています。

1970年代以降は絵画制作に専念し、フランス国内をはじめ、ニューヨーク、シカゴ、ルクセンブルク、日本など各国で個展を開催しています。作品は幾何学的な構成と幾重にも塗り重ねた豊かな色彩、厚みのあるマチエールを特徴とし、風景や花、街並みを抽象と具象の間を行き来する独自の表現で描き出します。

建築的な画面構成と静謐な空気感が調和した詩情豊かな世界観は高く評価され、多くの愛好家を魅了し続けています。

アンヘレス・セレセダ

アンヘレス・セレセダは、1962年にスペインのサンタンデールに生まれた油彩画家です。

1982年に同国の画家J・トレンツ・リャドが設立した地中海絵画自由学校に入学し、リャドの教えを学びながらモデルとしても活躍しました。リャドが描いた彼女の肖像画も現存しています。卒業後しばらくは同校で教鞭も取りましたが、現在は独立して活動を続けています。

光と影のコントラストや、優雅なタッチで描かれた花の作品などが特徴的で、また、師匠であるJ・トレンツ・リャド同様に肖像画家としても目覚ましい作品を残しています。

1994年以降はスペインや日本をはじめとする世界各地で展覧会を開催しており、J・トレンツ・リャドの後継者として光を浴び始めています。

本多 天城

本多天城は、明治時代から昭和時代にかけて活躍した日本画家です。

本多は江戸に生まれ、本名を佑輔(ゆうすけ)といいます。19歳で「近代日本画の父」と称される狩野芳崖に師事し、岡倉秋水岡不崩らとともに「芳崖四天王」の一人に数えられました。その後、東京美術学校を卒業し、29歳という若さで母校の助教授に就任しました。明治30年の第2回日本絵画協会共進会、および同年の第3回共進会でともに銅牌を受賞し、明治31年の東京美術学校騒動に際しては、辞職組として連署したものの最終的に留任し、明治34年まで助教授を務めました。

彼の作品の特徴は、師である狩野芳崖から継承した狩野派の伝統的な技法(岩や樹木の描写など)をベースにしながら、西洋画の写実性や明暗法を取り入れ、独自の色彩や画境を追求した作風が特徴です。代表作の『柳鷺図』『秋野』『山水(山水図)』では、自然や生物の生命感が繊細なタッチで描かれています。
また、前漢の武将を題材とした『蘇武(そぶ)』などでは卓越した人物描写力を示しており、狩野派の伝統に近代的な表現を吹き込んだ実力派として高く評価されています。

本多天城は、伝統的な狩野派の筆遣いと西洋の空間表現を融合させ、日本画の発展に貢献した画家といえます。

水野 年方

水野年方は、明治時代に活躍した浮世絵師・日本画家です。

江戸・神田に左官屋の子として生まれた年方は、幼少期から優れた画才を見込まれ、13歳で最後の浮世絵師と称される月岡芳年に入門して伝統的な浮世絵の技術を学びました。明治後期には新聞の挿絵を多く手掛け、時代を代表する人気絵師として活躍。『やまと新聞』『都の花』などで数々の口絵や挿絵を描き、その高い実力が岡倉天心に認められました。これにより日本青年絵画協会へ加わると、明治31年(1898年)の日本美術院創立の際には賛助会員として参加しました。門下からは、鏑木清方池田輝方池田蕉園といったのちの美人画の最高峰と称される名手たちが輩出されており、教育者としても極めて大きな功績を残しています。

彼の作品の特徴は、代表作『三十六佳撰』『今様美人』をはじめ、美人画・風俗画の秀作を残しており、人物を小さく描き余白を活かした構図や、繊細なぼかし技法を用いた近代的な画風が特徴です。明治という新しい時代の空気をまとった、華やかながらも気品に溢れた美人画を得意とする一方で、歴史画も描いており、弟子の鏑木清方によると、依頼ではなく自ら進んで描く場合は歴史をテーマにすることを好んだといわれています。

水野年方は、近代化が進む中で、伝統的な浮世絵の技法を受け継ぎつつ、新聞・小説の挿絵や「美人画」「歴史風俗画」に新境地を開拓し、後進の育成にも多大な貢献をした作家といえます。

魚屋 北渓

魚屋北渓(ととやほっけい)は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師です。元々は江戸の四谷で魚屋を営んでいたことから、魚屋北渓と称されました。

初めは木挽町狩野派の奥絵師(江戸幕府の御用絵師、最も格式の高い職)である狩野惟信に絵を学び、そののちに葛飾北斎に師事します。肉筆画や狂歌絵本(社会風刺や滑稽さを込めた和歌である「狂歌」に、一流の浮世絵師が描いた豪華な挿絵を添えて出版された江戸時代の版本)の挿絵などを多く残しました。

師匠譲りの大胆な構図、観察眼から描き出される緻密な描写や繊細な色遣いが特徴的です。

魚屋北渓の作品は国内のみならず大英博物館やボストン美術館など外国の美術館にも展示され、世界中で親しまれています。

市ノ木 慶治

市ノ木慶治(しのき けいじ)は、名古屋が生んだ伝説の画工として高い評価を受けている画家であるとともに、オールドノリタケの陶磁器において高い人気を誇る絵付画家としても知られています。

1891年に愛知県名古屋市で生まれた市ノ木は、1905年に森村組絵付工場に入社しました。森村組は、日本の陶磁器を海外へ輸出し、直輸出事業を成功させた先駆的な商社として知られています。

その後、見習い、雇を経て画工となり、鈴木不知や鬼頭鍋三郎の指導を受けました。1928年に帝展へ初入選すると、その後は官展や二科展、光風会への出品のほか、個展も開催するなど、中部画壇でも活躍しました。

また、日本陶器(現在のノリタケグループの前身)において個人名のサインを作品に残すことが認められた数少ない画工として、社内美術学校の先駆けとなる日本陶器技芸科で後進の育成にも携わり、技術の継承にも貢献しています。

市ノ木が手がけた作品は海外でも高い評価を受けており、「薔薇の市ノ木」と評されています。

川村 悦子

1953年佐賀県に生まれた川村 悦子は、京都市立芸術大学で西洋画を学び、写真的な精密さと、心象風景を融合させた透明感あふれる作品で、評価を確立してきた現代美術作家です。 「曇りガラス」や「樹木記」といったシリーズに加え、 …

楊洲 周延

楊洲 周延(ようしゅう ちかのぶ)は、明治時代を代表する浮世絵師の一人です。  1838年、越後国高田藩(現在の新潟県上越市)の江戸詰藩士の家に生まれ、本名は橋本直義といいます。 幼少期は、仏画や水墨画など多彩な分野を手 …

熊耳 耕年

熊耳耕年(くまがみ こうねん)は、明治から昭和初期にかけて活動した浮世絵師、日本画家です。 仙台の老舗の仕立て屋の次男として生まれますがその後明治維新のあおりを受け家は没落、1888年に上京して月岡芳年の内弟子となりまし …

歌川 芳藤

歌川芳藤は、幕末から明治時代にかけて活躍した浮世絵師です。 江戸に生まれ、本名を西村藤太郎といいます。特に子供向けの「おもちゃ絵」と呼ばれる浮世絵で名を馳せました。歌川国芳の門下に入り技術を受け継ぎ、歌川派の流れを汲みな …

サクティ・ボーマン

サクティ・ボーマンは、フランスを拠点に活動するインド出身の現代美術作家です。 ボーマンはインド・コルカタに生まれ、1956年に同地の美術学校を卒業後、フランスに渡りパリの国立高等美術学校(エコール・デ・ボザール)で修学し …

西村 五雲

西村 五雲は、動物画を得意とした京都出身の日本画家です。 1890年に岸竹堂に入門し、竹堂の死後は竹内栖鳳に師事しました。 1907年の第1回文展に出品した『白熊(咆哮)』で三等賞を受賞。 1911年の第5回文展では『ま …

永瀬 義郎

永瀬義郎は、大正から昭和にかけて活躍した版画家・画家です。日本の創作版画運動の初期を支えた重要人物の一人として知られています。 永瀬は茨城県に生まれ、白馬会原町洋画研究所で長原孝太郎に学び、その後東京美術学校彫刻科へ進学 …

RoamCouch

RoamCouch(ロームカウチ)は、岐阜県安八町を拠点に活動する日本のストリートアーティストです。 彼は岐阜県に生まれ、本名は小川亮です。緻密なステンシル技法を用いた作品で知られており、日本の浮世絵的感覚と現代ストリー …

名取 春仙

名取春仙は、明治から昭和期にかけて活躍した版画家・挿絵画家・日本画家です。 名取は山梨県に生まれ、本名を名取芳之助といいます。幼少期に上京し、久保田米僊・久保田金僊らに師事して日本画を学びました。その後、平福百穂の影響も …

KYNE

KYNEは、物憂げな表情を浮かべたクールな女性像を描くことで知られている日本の現代アーティストです。 彼は福岡で生まれ、デザイン科のある高校で油彩、彫刻、デザインなどを幅広く学びました。大学時代に日本画を学びながら、20 …

岸田 メル

岸田メルは、繊細で透明感のある美少女イラストで知られる日本のイラストレーター・キャラクターデザイナーです。 岸田は愛知県名古屋市に生まれ、高校時代は名古屋の劇団に所属し、俳優活動を行う傍ら、実用書のカバーなどイラストレー …

小林 ドンゲ

小林ドンゲ氏は1926年生まれ、東京出身の版画(銅版画)のアーティストです。 特に、「ドライポイント」や「ビュラン」という尖った工具を使って銅の板に直接キズをつけて絵を描く、とても繊細で高い技術が必要な技法を得意としてい …

原 宏之

原宏之氏は、1961年に福島県で生まれた日本画家です。 もともとは独学で油彩画を描いていましたが、のちに日本画へと転向します。そして特定の美術団体に属さない「無所属」の画家として独自の画風を築き上げました。 彼の作品の大 …

lack

lackは、主にアニメ調のキャラクターデザインやライトノベルの装画、ゲーム・VTuber関連のビジュアルなどを手がけていることで知られる日本のイラストレーターです。 彼は長野県に生まれ、学生時代からゲーム制作やイラスト制 …

歌川 芳員

歌川芳員は、幕末から明治初期にかけて活躍した歌川派の浮世絵師です。名門・歌川国芳の弟子であり、一寿斎や一川、一川斎などの号を用いました。 作画期は嘉永頃から明治初期に及びます。当初はダイナミックな合戦絵や武者絵、花鳥画を …

外山 寛子

外山 寛子氏は1984年宮崎県に生まれた日本画家で、現在も活動的に制作を行っている人物です。 金箔や金泥、色箔を背景に用いた伝統的ながら華やかな画面構成と、柔らかな色彩による生命感の表現が高い評価を受けています。「生の祝 …

森内 敬子

森内敬子は、具体美術協会の最後の会員として知られる現代美術家です。 森内は大阪府に生まれ、1962年に大阪樟蔭女子大学国文学科へ入学し、具体美術協会の設立者・吉原治良に師事しました。1965年に渡米した後はニューヨークを …