前田青邨 『花図』

皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。

今回お譲りいただきましたお品物はこちら。前田青邨 作『花図』でございます。

前田青邨（まえだせいそん）は、岐阜県出身の日本画家です。
歴史画の名手であり、また近代日本画家・平山郁夫の師匠としても知られております。
日本の伝統的な大和絵を学び、ヨーロッパ留学で西洋絵画、とくに中世イタリア絵画の影響を受け、武者絵などの歴史画を軸として花や鳥といった自然物まで幅広い題材の作品を制作しました。
画壇から日本画界の発展を支え文化勲章を受賞したほか、法隆寺金堂の壁画の修復や高松塚古墳の壁画の模写など、歴史的・文化的事業にも多く携わった芸術家です。

本作は青邨の作品が軸装されたお品物となります。武者絵に代表される青邨の特徴はその細密性にあり、こちらの作品でも枝葉の一つ一つまで、今そこにあるかのような生命力を感じさせる写実性の高いタッチがされております。

今回は高名な日本画家の作品であり、状態が良かったこと、額装で小さなサイズのお品物であったことを考慮し、こちらの評価とさせていただきました。