高野与八は、秋田県を代表する創作こけし作家のひとりです。
植物や人物モチーフを繊細に描き分ける作風を得意とし、職人的な木地技術と芸術的感性を兼ね備えた作家として知られています。
底面に「白桔梗」と銘打たれた本作は、端正に削り出された細長い胴と、凛とした表情の面相が印象的な作品です。
朱と金の帯が胴をまっすぐに走り、その余白には白桔梗の枝が静かに描かれております。黒々とした葉と白い花弁の対比が清潔感を生み出し、落ち着いた気品を感じさせます。また、底面に記された「白桔梗」の銘が作品全体の世界観をより印象深いものにしています。
装飾性を備えながらも過度な華美に陥らず、抑制の効いた美しさが宿る一本でした。
与八作品はサイズ感や絵付けの緻密さによって評価が大きく左右されますが、本作は大ぶりなサイズであり、絵付けも細部まで丁寧に施されていたため、こちらの評価とさせていただきました。