今回ご紹介するお品物は、藤田喬平作『ヴェニス徳利』です。
藤田喬平は、1921年に東京都新宿に生まれました。東京美術学校に入学し彫金を学びましたが、中学生の頃から興味のあったガラス工芸の道へ進みました。
1947年に岩田工芸硝子へ入社して基礎を学び2年後に独立。以後はガラス工芸の本場イタリアへ渡りさらなる技術と感性を磨きました。
その卓越した功績は高く評価され、紺綬褒章をはじめ、文化功労者、初のガラス工芸家の文化勲章を受章するなど、日本を代表するガラス工芸家として数々の栄誉に輝いています。
本作品は、藤田がイタリア・ヴェニスの工房で制作した徳利で、藤田の作品の中でも特に人気の高いお品物となります。三色の鮮やかな色彩を巧みに用いて繊細なレース模様が施された気品あふれる作品となっており、日本の伝統的な酒器である徳利の造形にイタリアで学んだ華やかな意匠が見事に融合し、類を見ない美しさを湛えた逸品です。
共箱などの付属品も完備しており、作家の技法が発揮された作品であることから上記の評価となりました。