今回ご紹介するのは、北海道・八雲を代表する木彫り熊の巨匠・柴崎重行と、その直弟子である引間二郎(号:木歩)による作品、計3点の組み物です。
柴崎重行は「手斧(ちょうな)による一刀彫り」という独自の作風を確立した作家です。従来の毛彫りをさらに深化させた「ハツリ彫り」により、民芸品にとどまらない芸術としての木彫り熊を追求し続けました。
引間二郎は柴崎重行より直接指導を受けた正統な後継者であり、面彫り・荒彫り・毛彫りのいずれも手掛けた実力派です。野性味あふれる作風と一点一点異なる表現が大きな特徴で、八雲最後のプロ熊彫師として知られています。
本作は3点一組で専用台座に収められた組み物であり、大・中・小それぞれ異なる姿勢の熊が並ぶ構成となっています。ハツリ彫り特有の大胆な刃跡が木目と相まって躍動感を生み出しており、師弟二作家の作品が揃って残る希少な逸品です。経年による豊かな色艶も魅力のひとつとなっています。
本作品は評価の高い作家の作品である点、ならびに保存状態が良好である点に基づき、今回の評価となっています。