今回ご紹介する作品は、長寿・財運・家庭円満・願望成就などを祈願して作られた『長命富貴 和合如意(背 和合二仙)』でございます。
本作は、清代の中国から日本(江戸〜明治時代)にかけて親しまれた絵銭です。日常の買い物で流通する貨幣ではなく、結納や婚礼の贈り物、厄除けや家庭円満を祈願するものとして用いられました。
表面には、「長命富貴」と「和合如意」を合わせた八文字が刻まれています。これは、長命(健康で長生きすること)、富貴(豊かな財産や高い地位・名誉に恵まれること)、和合(人々や夫婦・家族が調和すること)、如意(すべての物事が思い通りに上手くいくこと)を祈る言葉で構成されています。文字の周囲には、吉祥や如意を象徴する祥雲(雲文様)や如意頭文様があしらわれています。
裏面には、中国の民間信仰や道教に由来する「和合二仙」と呼ばれる2人の童子が刻まれており、一人が「蓮の花(荷)」、もう一人が「宝箱・丸い箱(盒)」を携えています。中国語で「荷(hé)」は「和」、「盒(hé)」は「合」と同音であることから、掛け言葉(諧音)として夫婦円満や調和を象徴しています。
こちらの作品は、絵銭の中でも人気の高い硬貨であることや、ケースが付属されていることで保存状態が良好であったため上記の評価となりました。