モンブランは、1906年から続くドイツを起源とした筆記具メーカーで、有名な万年筆ブランドです。
その歴史は、ドイツ・ハンブルグに住む文房具屋、銀行家、エンジニアの三人が会社を作り、万年筆の製造に着手したことに始まります。1924年にモンブランの代表作となる「マイスターシュテュック」を製作し、一躍その名を世界に轟かせました。
やがてボールペンやサインペンなどの台頭により、万年筆はステイタスシンボルへと立ち位置を変化させますが、モンブランの万年筆はそのデザイン性と品質の高さから高級万年筆としての位置づけを獲得し、人気を確立してゆくこととなります。
モンブランの万年筆の特徴として、ヨーロッパ最高峰の山であるモンブランをモチーフとしていることがあり、ペン先には標高である「4810」と刻まれています。
現在ではリシュモングループの傘下企業となっており、万年筆の他腕時計やフレグランス、革製品など幅を広げた展開を行っております。
林 正太郎は岐阜県土岐市下石町の窯元の子供として生まれました。
商業高校を卒業後、名古屋で就職しましたが、すぐに岐阜県に戻ってきました。
それから兄である林 孝太郎に師事し、陶作を手伝うようになりました。
初期の頃はガス窯を利用し、天目や黄瀬戸など様々な作品を制作しました。
24歳の時に朝日陶芸展知事賞を受賞、翌年の1972年には日本伝統工芸展初入選や朝日陶芸展優秀賞に輝きました。
1974年には独立し、中日新聞社新人賞受賞を受賞しました。
1993年美濃陶芸展で最高の大賞を受賞、翌年には美濃陶芸展で加藤幸兵衛賞を受賞、1997年には庄六賞を受賞致しました。
この3つの賞を立て続けにとる事は同展が開催されて初めての快挙と言われております。
2002年には土岐市指定の重要無形文化財保持者に認定されております。
2012年には県指定重要無形文化財「志野」の保持者に認定されます。
作品の多くは「志野焼」です。釉薬をたっぷり使った豪快な作風が特徴的で、作品全体から感じられる迫力に圧倒されながらも、魅了されます。
その他にも、織部や天目など様々なジャンルの陶芸作品を作陶しています。
小西平内は、兵庫県西宮市に「太閤窯」を構える陶芸家、およびその名跡です。
太閤窯を築いた初代・平内とその甥の二代・平内がおり、世に多く出ているのは二代の作品となります。なのでここでは、主に二代の紹介をさせていただきます。
二代は1928年に愛媛県に生まれ、十代のうちに叔父の初代に師事します。初代のもとで作陶技術を学んだあと、翌年には昭和の光悦と称される川喜田半泥子に師事し、茶陶作りの技術を身に着けていきます。
1964年に叔父の隠居に伴い、二代・小西平内を継ぐことになります。その後は大阪三越での初個展にはじまり、国内外での活躍を見せました。
楽焼・伊賀焼による茶陶を中心に制作し、伝統的な茶陶の精神を大事にされた作品を多く残されています。特に黒樂茶碗、赤樂茶碗は小西平内の精神を体現したような代表作品であり、その実力は茶道裏千家十五代家元である鵬雲斎大宗匠からも高く評価されています。
中村宗悦は、石川県出身の漆芸作家です。
1932年に生まれ、十代の頃には父親から「髹漆(きゅうしつ)」という技法を学びました。以来、宗悦はその技法一筋で作品を製作していきました。
「髹漆」とは、へらや刷毛を使って漆を素地に塗る、漆芸の技術のことを言います。いわゆる塗りの技術であり、漆芸技法ではもっとも古い技術の一つであるとも言われています。単純に塗るだけでは塗った跡が残ってしまうため、跡を残さない高い技術力が必要とされている伝統的な技法です。
髹漆をベースとし、真塗(黒の漆立て)や蒔絵などの技法を用いて製作するのが宗悦の作風となります。
モチーフには草花、鳥、小動物などが多く、古雅で優しさのある表現が特徴的です。棗や盆にはじまり、茶入や香合、棚などと多岐に渡った漆芸作品を製作しております。
また、徳恩寺の中尾宗和に茶道の指導を受けた経緯から茶道の造詣が深く、茶人に愛される茶道具を多く手掛けています。
山岸正巳は1929年に北海道の岩内で生まれます。
画家としては、バレリーナの少女などをモチーフとした人物画や、牡丹、薔薇などの静物画を得意とした作家です。
1952年に東京美術学校卒業し、学校卒業から彼の作品は注目を集め、その翌年の1953年に『人物』が第15回一水会に入選します。
1958年には生まれの北海道の札幌三越デパートで人物画個展を開催し、同年に故郷の岩内町高台に画室を建てるなど、地元である北海道、そして岩内をこよなく愛した作家と言えるでしょう。
彼が得意とする人物画、とりわけバレリーナに強い想いがあったようで、バレリーナの少女がモチーフとなった作品が数多くあります。
紹介写真は山岸正巳がまさに得意とするバレリーナの少女。
その場の状況を鑑賞者に想像させる何気ないワンシーンが描かれており、気品が漂っています。
クラシカルなムードを演出し、美しい女性の肌と黄色のチュチュの清楚なイメージを一段と引き立ててる作品となっております。
小向貢嗣(こむかいみつぐ)は、青森県出身の画家です。
人物画と静物画を得意とした作家であり、特に人物画では老人を描いたものが多くあり、その写実的な画風が高い人気を誇っています。
静物画においては柘榴と葡萄を好んでいたようで、度々絵のモチーフとして使われています。
写実的、写実主義(リアリズム)とは現実をそのままに表現しようとする美術様式であり、西洋美術においてルネサンス期以降に形作られていった潮流です。神話や神ではなく、現実のものを写し取ろうとするこの流れは、宗教改革からくるキリスト教的世界観の瓦解に紐づいたものであるともみられています。
小向貢嗣の絵画は造形の他、陰影などが深い写実性を持って描かれ、リアリズム作品としての高い表現力がうかがえます。
深緑の背景色は小向貢嗣のよく用いる配色であり、妖しげでありながらそこに在るモチーフの生命力を感じさせるような雰囲気を作りあげています。モチーフに宿る耽美さを蠱惑的に表現した作品群は、潜在的な美の感覚に刺激を残すでしょう。