倉田 冨美

倉田 冨美は、1937年に京都で生まれた日本画家です。

日本画家の丸山石根に師事し、日輝展では金賞2回、特選1回を受賞しています。
人物画を得意とし、舞妓を題材に多数の作品を手掛けました。

舞妓は15歳~20歳頃の芸子見習いの女性を指します。
まだあどけなさの残る少女たちが芸を覚え、少しずつ成長していく姿は美しさとともに奥ゆかしい日本の美意識が感じられます。

舞妓が芸妓になることを「衿替」を呼び、その直前の約2週間は「先笄」という髪型になります。この期間だけ見られる貴重な姿を描いた作品は、人気作のひとつとなっています。

また、表情だけでなく、年数で変化していく髪型や着物、化粧などに目を向けるとまた違った視点で楽しむことができます。

京都の風情と伝統を映し出す倉田の作品は、女性を通して静かに語りかけてくるようで、雅な空気感を繊細に表現する作風は高く評価されています。

代表作には『先笄』『舞妓』などがあります。

ギュスターヴ・カイユボット

ギュスターヴ・カイユボットは、フランスの画家・絵画収集家です。

都市の風俗を独自の構図で描き、写実主義的な傾向が強い印象派の画家として認識されています。

パリの上流階級の家庭に生まれ、法学部を卒業後に弁護士免許を取得。
普仏戦争での従軍を経験したのち、画塾に通って絵を学び始めました。

画塾でジャン・ベローと知り合い、アンリ・ルアールを通じてエドガー・ドガ、ジュゼッペ・デ・ニッティスなどと交流を深めました。

1875年、サロン・ド・パリに『床削り』を出品するも落選してしまいます。
この頃から友人の絵を買うようになり、収集家としての面を見せ始めました。

第2回~第7回まで印象派展に参加し、第3回では資金調達や宣伝などを行い、展示委員も務めています。
批判されながらも展示会の存続に尽力しました。

1894年、園芸作業中の体調不良により45歳の若さで亡くなりました。

生前は、収集家というイメージが強くあまり知名度はありませんでしたが、近年画家として高い評価を得ています。

代表作には『パリの通り、雨』『ヨーロッパ橋』『ピアノを弾く若い男』などがあります。

フィンセント・ファン・ゴッホ

フィンセント・ファン・ゴッホは、ポスト印象派を代表する画家です。

1853年、ゴッホはオランダにて牧師の家に生まれました。
一度は聖職者を志しましたが挫折し、弟の援助を受けながら画家としての人生を歩み始めます。

はじめの頃は農民の貧しい生活を題材にした、暗い作品を描いていました。
パリへ移ると、印象派の影響を受けた明るい色調の作品へと変化していきます。

1888年、弟の働きかけでポール・ゴーギャンとの共同生活を始めましたが、価値観の違いにより関係は悪化。
2ヶ月ほどでこの生活は終わりを迎えました。
また、この頃ゴッホは自身の耳を切り落とし、娼館に勤める女性に渡しています。
この一件は大ニュースとなり、世間を驚かせました。

その後、持病の発作により入退院を繰り返しながらも多くの作品を手掛けました。
しかし、1890年に麦畑の中で自らを銃で撃ち、2日後に亡くなっています。

ゴッホは十数年の活動期間で約2000点もの作品を手掛けましたが、生前に売れたのは1枚の絵だけでした。
死後に高く評価されるようになり『医師ガシェの肖像』という作品は、約124億円で落札されています。

彼は人生を絵に捧げ、情熱的に生きた孤高の画家として高く評価され続けています。

代表作には『ひまわり』『夜のカフェテラス』『自画像』などがあります。

あいはら 友子

あいはら 友子(旧芸名:原田真弓・相原友子)は、女優・画家として知られています。

1954年に兵庫県に生まれた彼女は、勉強もスポーツも苦手な子供でした。
しかし、小学3年生の頃にあった交通事故をきっかけに、様々な分野で才能をみせるようになったそうです。
大学時代には、アーチェリーで全日本第3位まで上り詰め、モントリオールオリンピック強化メンバーとなりました。

大学卒業を機に「原田 真弓」の芸名で特撮番組などに出演し、1978年に放送された連続テレビ小説「わたしは海」のヒロイン役でデビューを果たします。

バブル期には株式に詳しいことから「財テク女優」と呼ばれ、経済界での講演・キャスター・雑誌の連載など幅広く活躍しました。

また、高野山真言宗の僧籍を取得するなどしています。

縁起物として知られる赤富士を中心とした日本画を多く手掛け、組み合わせるモチーフによって異なるテーマを持たせています。
人々の幸福を願う気持ちが込められた作品は、開運アートとして多くの人に愛されています。

代表作には『赤富士に鳳凰』『赤富士に昇り龍』『黄金富士に金の川』などがあります。

オディロン・ルドン

オディロン・ルドンは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの画家です。

感情など形のないものを、神話や文学のモチーフを用いて表現する「象徴主義」の代表的な作家として知られています。

フランスのボルドーに生まれ、15歳でスタニスラス・ゴランから素描を学びはじめました。

その後、植物学者のアルマン・クラヴォーと出会い、読書の手ほどきを受けました。
彼の存在は大きく、のちの作品にも影響が表れています。

さらに、ロドルフ・ブレスダンからは銅版画、アンリ・ファンタン=ラトゥールからは石版画の指導を受けました。

1870年の普仏戦争での従軍後、初の石版画集『夢の中で』を刊行しています。

ルドンの最期は悲しいもので、第一次世界大戦中に行方不明となった次男を探す途中で体調を崩し、会うことが叶わないまま自宅で息を引き取りました。

オディロン・ルドンは、独自の視点で内面を映す幻想の世界を描き続け、美術史に大きな影響を与えました。

代表作には『眼=気球』『眼をとじて』『蜘蛛』などがあります。

ジミー大西

ジミー大西は1964年1月1日生まれの大阪出身で画家・タレント。吉本興業所属の芸人として独特の天然キャラクターで人気を博したあと、1990年代より画家としての活動を本格的にスタートしました。

彼の作品は色鮮やかな色彩と自由奔放な構図が特徴で動植物や幻想的な風景などを題材にした大胆かつ、純粋な表現で知られています。

主にアクリル絵具を使用し乾きの早さと発色の良さを活かしエネルギッシュで直感的な作風を生み出しています。これまでにニューヨークやパリ、上海など国内外で個展を開催し、独自の世界観で高い評価を受けています。

芸人時代の経験や人間味あふれる感性の作品に反映されており、芸術の枠を超え多くの人に感動と癒しを届けています。

北野 明信

北野 明信(きたの あきのぶ)は、大阪市出身で1959年生まれの洋画家です。1987年に市展、1989年に県展に入選し、1991年には大阪で初の個展を開催しました。その後も個展やグループ展を多数開催し、フランス・パリの国 …

笠松 紫浪

笠松紫浪(かさまつ しろう)は、日本の木版画家であり、20世紀の「新版画」運動を代表する作家の一人です。 東京・浅草に生まれ、13歳で鏑木清方に師事し、日本画を学びました。師の推薦により、1919年に渡邊庄三郎の版元から …

牧野 宗則

牧野宗則は、1940年に静岡県静岡市で生まれた木版画家です。伝統的な浮世絵の技術と、現代的な創作木版画の精神を融合させた、独自の美の世界を築いてきました。 彼の作品は、日本の自然や四季の移ろいをテーマにしたものが多く、月 …

アイベン・ロール

アイベン・ロールは、アメリカの画家・イラストレーター・アニメーターで、特にディズニー映画の背景美術で知られる芸術家です。 彼の作風は、幻想的かつ装飾的なスタイルであり、モダンアートとゴシック美術、日本画や中国画の要素を融 …

濱田 観

濱田観は、花鳥画を中心に活躍した兵庫・姫路生まれの日本画家です。繊細な筆致と淡い色彩で自然の美しさを表現しました。 大阪で洋画を学びつつ商業デザインにも携わる中、1929年に竹内栖鳳に師事。1933年、京都市立絵画専門学 …

平野 琳人

1938年に東京で生まれ、成城大学卒業後に文化学院美術に進み、その後はテレビ関係の仕事につきました。長く携わった後、世界旅行を経てイギリスやニューヨークで作品の出品などを行います。 作品を手掛ける初期の頃は海外で個展を展 …

片岡 鶴太郎

東京都出身の片岡鶴太郎は、俳優・タレント・声優など多方面で活躍する一方、画家・書家としての顔も持ち、文化人としても幅広い活動を続けています。 そんな片岡が画家として活動を始めたのは1990年代のこと。きっかけは、早朝に見 …

内尾 和正

1959年岡山県で生まれた内尾和正は、若干21歳でフリーのイラストレーターとして活動を始め、CGイラストの先駆者として数々の賞を受賞してきました。また、2003年からは版画作品の発表も開始し、画家としての活動も幅広く行っ …

ハンス・ベルメール

ハンス・ベルメールは、1902年にドイツで生まれた芸術家です。 写真や彫刻、絵などを通して「人の心の奥にある欲望や不安、夢の世界」を表現しました。 また、ナチス政権の当時ナチスから逃れるように、彼はフランスへ移り、そこで …

吉岡 正人

大阪府出身の吉岡は、大学在学中の1974年にフランスへ渡り、アカデミー・グランド・ショミエールなどでさらなる技術を学びました。帰国後は、国内外で個展を開催するほか、数々の作品を発表・受賞し、現在では大学教授としても幅広く …

MASEY マセイ

マセイ(Masey)はフランス出身の画家で、ディズニーファインアートの公認アーティストの一人です。 写真のようなリアリズムとディズニーキャラクターの表情や動きの一瞬を巧みに捉えた作風で、多くのファンを魅了しています。くま …

安西 水丸

安西 水丸は、ユーモラスな作風が特徴のイラストレーターです。 書籍の装丁、絵本や漫画の執筆など多岐にわたって活動しました。 1942年、彼は東京で建築設計事務所を営む家に生まれました。 3歳頃に重い喘息を患い、母の故郷で …

ロメロ・ブリット

ロメロ・ブリットは、ポップアート界を代表するアーティストです。 1963年、彼はブラジルの港湾都市で生まれました。 幼い頃から新聞紙をキャンバスにして、独学で絵を学んでいたそうです。 パリでのピカソやアンリ・マティスの作 …

定岡 宏

1946年、愛媛県にて、画家・定岡玲艸子(れいそうし)を父に持ち誕生した洋画家で、親子二代にわたって活躍しました。主にヨーロッパ、特にフランス・パリの風景を題材に作品を描き、「父子二人展」などの展覧会も開催しています。 …

織田 一磨

織田一磨は、主に都市の風景を描いたことで知られる版画家です。 生まれは東京ですが、12歳の頃に大阪へ移りました。 16歳になると、石版画工をしていた兄から石版画の技術を学びました。 その後1903年に東京へ戻り、川村清雄 …