勝川春章は、江戸時代中期を代表する浮世絵師で、葛飾北斎をはじめとする後の浮世絵師たちにも多大な影響を与えました。
勝川の生涯については不明瞭な点が多く、生年を1726年または1729年とする説があります。また、春章の出生地は江戸とされていますが、その生い立ちについても定かではないようです。
40歳前後という平均より遅いスタートにもかかわらず、50代になっても業績をあげるなど絵師としての活動にとても熱心でした。彼は役者絵だけでなく、美人画や武者絵、相撲絵といった多彩なジャンルを手掛けました。
役者絵では、それまでの常識であった荒々しく誇張された表現とは違い、個々の役者の特徴を捉えた写実的な似顔絵を新しく導入し、一世を風靡しました。
代表作には『婦女風俗十二ヶ月図』『青楼美人合姿鏡』『雪月花図』などがあります。
浜田泰介(はまだ たいすけ)は、愛媛県宇和島市出身の日本画家です。
彼は、色彩や形態を駆使して、視覚的なインパクトを強調する作品を制作しており、日本画という枠に囚われない独自のスタイルを確立しています。
早期は抽象画家として活動しており、アメリカに渡って活動しておりました。その時代に磨いた表現が、後年の作品でも生かされていると言えます。
大覚寺や醍醐寺など、数々の名刹の障壁画を手掛けており、自身でも「平成のふすま絵師」と称しております。
彼の作品には、抽象的な表現の中に人間の感情や自然、宇宙的なテーマを感じさせる要素が込められており、視覚的に感動的なだけでなく、鑑賞者に思索を促すような深みを持っています。
井阪仁は、三重県出身の洋画家で、白日会会員として活躍しています。
琳派の装飾性と洋画の写実性を取り入れた独特の作風で知られ、主に花を題材とした作品を手掛けています。
1978年に白日展で佳作賞を受賞し、1981年には白日賞、1983年にはT賞を受賞するなど、多くの賞を受賞しています。また個展も精力的に開催しており、2009年には名古屋、岡山、広島で、2010年と2013年には日本橋で個展を開いています。
作品は、精緻な描写と箔を用いた装飾技法が特徴で、四季折々の花々を題材にした作品が高く評価されています。
川島見依子は、愛知県出身の画家です。
1982年に早稲田大学文学部を卒業し、1990年には日洋展に出品しました。
1993年から8年間、銀座三越で個展を開催し、全国の主要百貨店でも多数の個展を行いました。1996年には「北京景山公園風景」が国会議事堂に収蔵されています。
「富士山」に対して高い関心を持ち、特定非営利活動法人「NPO法人ふじまみたい人の会」の代表も務め、富士の自然と文化の発展・保護に貢献しました。
作品のモチーフとしても多く使用されます。
2004年に逝去しましたが、その作品は現在も美術市場で人気を集めております。
齋藤満栄は、新潟県出身の日本画家です。
多摩美術大学日本画科(横山操教室)を卒業し、翌年の1973年には文化庁現代美術選抜展で文部大臣賞を受賞しました。
そののち、堅山南風の内弟子となり、1979年には院展で初入選を果たしました。
その後も1991年から2000年代にかけて院展を中心に、外務大臣賞や日本美術院賞(大観賞)をはじめ多くの受賞歴があります。
2006年には日本美術院同人に推挙され、以降も国内各地で個展を開催するなど、精力的に活動を続けています。
代表的なモチーフには牡丹があり、岩絵具の濃淡で表現された優雅でふくよかな花姿が特徴的です。
今中洋二は、京都市生まれの洋画家です。
明るく写実的な風景画で知られています。彼の作品は、特にスペインの風景や街並みにインスピレーションを得たものが多く、度々スペインへ渡航して現地の景色や文化を深く研究しました。
上野の森美術館大賞展や独立美術協会展など、日本国内の展覧会に数多く出展し、高く評価されました。
今中の作品は晴れやかな風景が特徴的です。油彩の厚みを活かした繊細な光の表現や緻密な描写は、まるで自らの足でそこにいるかのような体験を演出します。
2011年に逝去しましたが、現在も彼の作品は美術館やギャラリーで展示され、コレクターからの人気も高いです。特にスペインの田園風景や歴史的建造物を題材にした作品は、彼の代表作として知られています。