木島 櫻谷

木島櫻谷は、1877年生まれの四条派の日本画家です。
京都に生まれ京都で育ち、幼少より周囲の影響で日本画をはじめとした文化の造詣を深めました。青年になると京都画壇を代表する作家・今尾景年に師事し、以降四条派の伝統を汲んだ作風が確立していきました。

櫻谷は初期から動物画を多く描きました。1899年に全国絵画共進会に『瓜生兄弟』を出品し、こちらが宮内省買い上げとなり、人気を確立することとなります。その後は山水や花鳥、人物なども描くようになり、文展を中心に活躍しました。
京都画壇では竹内栖鳳と人気を二分するほどに注目されますが、やがて画壇と反りが合わなくなり、筆致に対して評価は落ち着いていきました。
晩年は衣笠に隠棲し、街に下りず晴耕雨読の日々を送ったといいます。

四条派を正統に継承しながら、モチーフのくまない観察と自身のイメージの投影によって明瞭かつ精緻な画風をとるのが櫻谷の特徴です。究めた写生能力は動物、自然、人物等ジャンルを問わず発揮され、現在も多くの日本画ファンを魅了しております。

柄澤 齊

柄澤齊は、1950年栃木県日光市生まれの版画家です。

木口木版画の第一人者であり、現在は版画のほか絵画・オリジナルコラージュ・エッセイ・ミステリーなど様々な芸術や文学作品に携わっているマルチな作家さんです。

1971年に創形美術学校版画科に入学し、版画家・日和崎尊夫に通常よりも厚い版木を使う「木口木版」を学びました。

1973年の『盲天使の鏡』での日本版画協会新人賞を受賞をはじめ、その後さまざまなシリーズでの木版画を制作しています。作風は緻密な絵柄で、哲学的な鑑賞者に評価を委ねる物になっています。宇宙のような背景に抽象的なオブジェや人、動物をポツンと置いた作品や、オブジェに植物の根のような有機的な管をまとわりつかせた作品などダークな雰囲気を強く感じさせる作品が特徴的です。

文学に強い思い入れがあり、自ら出版工房・梓丁室を主宰したりミステリー小説で下野文学大賞を受賞するほか、挿絵本や版画集も積極的に刊行しており、幅の広い活動から大きく人気を集めている作家さんです。

三尾 呉石

三尾呉石は、明治期から昭和期にかけて活躍した日本画家です。

1885年の東京・日本橋に生まれ、幼少の頃から熱心に絵を描いていたといいます。
15歳の時に日本美術協会に出品した作品が認められ、その縁から動物画の巨匠・大橋翠石に師事することとなります。翠石のもとで四条派を基礎から学び、大胆な描画力を身に着けていきました。師を翠石としたこともあり、特に虎画において一線を画す描画をみせ、「虎の呉石」と称されるようになりました。

インド、アラビア地方の虎を訪ねて写生旅行を行うなど、呉石の虎に対するこだわりは翠石にも引けを取らないものでした。写実性を何より重視し、細部まで綿密に描写された虎の姿は実体を持つかのような迫力と気高さを感じさせます。

呉石は優れた虎画で院展や文展などにおいて多く入選を重ねました。現在においても独自性の強い呉石の作品は視線を集め、多くの日本画ファンの間で愛されております。

山本彪一

生没:1912ー1999年

山本 彪一 (やまもと ひょういち) は1912年生まれ。栃木県出身の画家です。

幼少の頃から絵に興味を持ち、楽しみとして絵を描いていた。早稲田大学商学部卒業後本格的に画家を志すようになりました。その後独学で絵を学び、後に猪野玄一郎に師事しました。

1942年師の猪野の勧めで新制作展に出品。日展や光風会で活躍し光風会会員となり、その後ヨーロッパに遊学。帰国後日本画壇での名声を高め1977年にはフランス・パームコマンドール勲章を受章した。しかし山本彪一は勲章などにはあまり興味を示さなかったことから、絵に対する純粋な愛が感じられます。

通常の画家とは異なった経歴を持ち、大学までは、芸術・美術の学校へは通っておらず学生時代は勉学に励んでいたとされています。そのため「異色」の画家と呼ばれています。

欧州の街や薔薇の絵が作品として多く残っており、晩年の作品ほど色彩の鮮やかさが増しているものが多いとされています。

九鬼 三郎

九鬼三郎は、兵庫県出身の油彩画家です。

1951年に生まれ、現在まで多くの作品を残されています。

パリの美術学校であるアカデミー・ド・ラ・グランショミエールで学び、後年にはパリ芸術大賞を受賞します。受賞後は全国で個展を開催するなど、精力的に活動されました。2022年には国際芸術審議会より、日本を代表する近代画家30名の中の一人に選出されています。

九鬼三郎の作品で最も見かけるのは、草花が花瓶や茶碗に生けられた構図ではないでしょうか。
モチーフとなる花瓶や茶碗は桃山時代〜江戸時代のものであるとされ、古陶器と花の調和が重んじられた作風がとられています。写実性が高く、独特のフィルムを通したような色使いと陰影表現には作品の持つ奥ゆかしい美が感じられます。

注目を集めた当時から現在まで、根強いファンだけでなく世界中の美術関係者より長く評価される作家さんです。お目にかかる機会がございましたら、作品の特別な表現を感じてみてください。

中原 脩

中原 脩は日本の画家・イラストレーターで、主に女性をモチーフとした油彩を制作していますが「中川 脩」の名前で日本画も発表している人物でもあります。

1946年に神奈川県に生まれ、東京藝術大学日本画科を卒業し、東京藝術大学大学院美術研究科修了したのち画家として制作活動に励みます。油彩では女性を主に描き、裸婦展に入選したりその他の絵画展でも精力的に活動しました。日本画家としては伝統的な日本画を精力的に描き、同一人物と思えないほど作風が変わります。また、イラストレーターとして本の装画の制作なども行い、活動の幅を広げています。

中原が多く描いた優しく繊細なタッチの少しうつむき加減な女性は気品に満ちた雰囲気があり人気が高いです。また大きな帽子をかぶったモチーフの事が多いことも特徴の一つです。

洋画と日本画では少し洋画の方が人気が高いように感じますが、画家として名前も変えて二足の草鞋を履く独自のスタイルを築いています。

岡崎 忠雄

岡崎忠雄は、京都府出身の日本画家です。 1943年に生まれ、昭和後期から平成の初期にかけて活躍されました。 牡丹をはじめ、花をモチーフとした日本画で主に評価を得ており、現在も根強いファンのいる作家さんです。 1968年に …

奥西 賀男

奥西賀男は、岐阜県岐阜市出身の油彩画家です。 1945年に生まれ、現在まで多くの作品を残されています。 東京藝術大学の出身であり、油画科の小磯良平教室で学んでおりました。卒業後、しばらくしてフランスに渡り、パリ国立美術大 …

中村 大三郎

中村大三郎は、京都府出身の日本画家です。 1898年に生まれ、美人画を中心に多くの作品を残されております。 1918年の第12回文展で初入選した後、翌年の第一回帝展で入選し、さらに第二回・第四回帝展では特選に選ばれるなど …

松山智一

松山智一は1976年岐阜県出身の現代美術家です。 上智大学卒業後、アメリカに渡り、NY Pratt Instituteを首席で卒業しました。2012~2017年にSchool of Visuai Art(SVA)の非常勤 …

織田広比古

織田広比古は、東京都出身の洋画家です。   1953年、仁科会理事長を務めた織田廣喜の子として生まれ、画家一家の中で育ちました。東京造形大学卒業後、銀座能楽堂の画廊で三人展が開かれ、画家として活動しました。その後も銀座を …

松林桂月

松林桂月は南画を代表する人物として知られています。 桂月は山口県出身で、上京後に野口幽谷に師事しました。幽谷に師事する前から独学で絵を描いていたようですが、師事のあとから名前が広まりました。日本美術協会展や文展で数多く賞 …

樋口洋

樋口洋は日本の画家で日本の美術家団体、示現会の理事長を務め、日本美術展覧会(日展)においては審査員や評議員に就き、日展内閣総理大臣賞も受賞した人物です。 1942年に神奈川県に生まれ、若い頃から画家を志し制作活動に励みま …

榊原 紫峰

榊原紫峰は、京都市出身の日本画家です。 1887年に生まれ、明治~昭和期にかけて活躍されました。 1904年に京都市立美術工芸学校の日本画科を卒業した後、京都市立絵画専門学校でも学び、日本画家としての基盤を築きました。 …

中尾 淳

中尾淳は徳島県出身の日本画家です。 1917年に生まれ、現在まで多くの優れた作品を残されています。 京都市絵画専門学校の出身であり、卒業後は女性画で有名な日本画家・寺島紫明に師事しました。この頃、絵画の派閥は多くありまし …

キモ

キモはアメリカ合衆国ハワイ生まれのマリンアート画家になります。 1962年に生まれ、8歳頃から鉛筆でのスケッチを描き始め、周りにある興味のあるものを模写していたそうです。 ホノルルコミュニティカレッジとアラスカ州立大学で …

椎名 保

椎名保は、千葉県旭市出身の日本画家です。 1958年に生まれ、現在まで多くの優れた作品を残されております。 東京芸術大学日本画科の出身であり、日本画家の巨匠・平山郁夫や福井爽人といった面々から日本画を学んでおりました。 …

金子東日和

まずは作者の金子東日和(とひかず)氏についてご紹介いたします。金子氏は1946年東京生まれの油彩画家です。画家になりたての頃は日本画を主に描いていましたが、氏の中での心境の変化からか途中から油彩画を描くようになりました。 …

竹山 博

竹山博は、東京出身の日本画家です。 1923年に生まれ、これまでに多くの作品を残されております。 1940年、東京美術学校(現:東京藝術大学)の日本画科予科に入学します。日本は当時太平洋戦争のただ中であり、竹山は43年の …

赤石 文雄

赤石文雄(あかいし ふみお)は鳥取県出身のパステル画家です。 1952年に生まれ、現在まで制作した多くの作品は、ファンの間で広く親しまれております。 赤石は理系の秀才であり、大阪大学の理学部を卒業しております。作家として …

吉井 英二

吉井英二は、1930年の生まれの高知県出身の日本画家です。 戦前から活動し、二科会で多くの評価を得た方です。 1950年に第40回二科展初入選し、1970年の第55回二科展では特選に選ばれております。1972年二科会絵画 …

成田 陽

成田陽は、昭和期に活躍した日本画家です。 1922年に旧満州で生まれた成田は、その後東京に移り住み、現在の愛知県刈谷市に転居しました。1949年の中美展入賞をはじめ、日春展などで様々な賞を受賞してきました。 また、195 …

三輪 晁勢

三輪晁勢は、新潟県出身の日本画家です。 1901年に生まれ、昭和期に多くの優れた作品を残されました。 父の影響から、晁勢は小学校を卒業した後より絵を学び始めました。その後、京都市立美術工芸学校を卒業したあと、京都市立絵画 …

松井 ヨシアキ

松井ヨシアキさんについてご紹介させていただきます。 1947年に福井県福井市にて松井さんはお生まれになられました。 松井さんの詳細は多くが語られておりませんが、洋画家としての芸術性の高さは誰もが認めるほど素晴らしく、近年 …