皆様こんにちは。最近の寒暖差に参っている緑和堂関東担当です。暖かくなったと思ったら寒くなったりで大変ですね。
今回ご紹介するのは松花堂昭乗筆の手紙(消息文)2点をまとめた巻物になります。
松花堂昭乗は江戸時代の真言宗僧侶ですが、文化人の顔も持ち、中でもその書の腕前は非常に優れ、松花堂流と呼ばれる独自の書風を確立させました。
今回の品は松花堂昭乗が儒学者・堀杏庵(名・正意)へ充てたもので、二通のうち一通は1637年以降に用いた「松花堂」の号、もう一通が住職を務めた石清水八幡宮「瀧本坊」の号となっています。このことから瀧本坊の住職を引退し、松花堂と称するようになる1637年~1638年頃のものではないかと推測されます。昭乗は晩年体調を崩しがちだったようで、この手紙にも自身の体調の様子を綴っています。晩年の昭乗の病状、そして交友関係を語る貴重な歴史史料といえるのではないでしょうか。