賈又福『山水図』

本作は、山水画を得意とする中国の画家「賈又福(かゆうふく)」の作品です。

賈又福は、中国北部の太行(たいこう)山脈を題材とした作品を多く手掛けました。
文化大革命によって農村に送られた際には、そこでの経験から田園風景なども描きました。

本作には「瀑聲如雷松涛若雨」と書かれており、これは滝の音は雷のように轟き、松のざわめきは雨のように響くというような意味です。
近くで耳にした壮大な自然の音を比喩的に表現しています。

淡い墨を重ねて滝の流れの強弱を表現し、松の木は濃い墨を使い、細かな線の違いで立体感を生み出しています。

山と向き合い、自らが感じ取った自然の力強さを見事に表現した本作は、賈又福の代表作の一つと言えるでしょう。

以上のことや作品の状態が良かったことなどを考慮して、今回は上記の査定結果となっています。