白隠 慧鶴『六字名号』

本作は、江戸時代の禅僧・白隠 慧鶴による掛軸です。

白隠は、独自の公案や分かりやすい説法で庶民に禅を広め、禅画や墨跡を多く残した臨済宗中興の祖として知られています。

「六字名号」は、主に浄土宗や浄土真宗で用いられる「南無阿弥陀仏」の6文字を指します。
この名号を唱えることは、阿弥陀仏に救われて浄土に生まれるという信仰の表れであり、阿弥陀仏への感謝の念を表す行為でもあります。

本作のような掛軸は、阿弥陀仏の本願を体現する最も大切な言葉として仏像の代わりとして飾られることが多く、主にお彼岸やお盆、法要などに用いられます。

型にはまらない白隠らしい、力強く伸びのある筆使いが印象的な一品です。

禅僧の中でも特に評価が高い白隠の作品であることや、状態などを考慮して、本作は上記の査定結果となっています。