人見友紀は、1940年に生まれ、1999年に亡くなった画家です。
日本や海外の自然風景を描いた油彩画を多く手がけました。
 
また、「逃亡作家」としても知られています。1972年から1973年にかけて発生した美術品窃盗事件の実行犯として指名手配され、その後、国外へ逃亡。フランスに渡った後、生活費を稼ぐために画家を志しました。
当初は路上で絵を描いて販売していましたが、やがてギリシャで人気を博し、日本にいる家族へ仕送りをするまでになりました。しかし、1986年に転機が訪れます。
 日本にいる父の訃報を受け、ギリシャの日本大使館を通じて自首。その後、大阪空港で逮捕され、懲役3年半の判決を受けました。
 服役中には、自身の逃亡生活を綴った『逃亡者の掟』を出版。この作品は映画化もされています。1989年に仮出所した後は岐阜県美濃市に定住し、代表作『白川郷』をはじめとする絵画の制作活動を本格化させました。
 
人見氏の作風は、逃亡先であったギリシャを含むヨーロッパの風景や、日本の田舎を描いた写実的な作品が特徴です。遠近法を活用しながらも、繊細なタッチで情緒豊かに表現されています。
特に、雪・川・滝などをモチーフにし、白を基調とした作品が高く評価されています。また、逃亡中に訪れた海外の風景画も、そのドラマチックな経歴と相まって高い評価を受けています。
 
セルジュ・ラシスは1933年、フランス南西部、スペインとの国境に位置するアンダイエHendayeに生まれました。
パリの美術学校で優秀な成績を修め、1955年よりイラストレーターとして活動を始めました。
 出身地であるアンダイエはバスク海岸に面しており、幼少期から豊かな緑と荒々しい崖が共存するこの地にインスピレーションを受けて育ちました。
 1959年の初個展以降、出身地のフランスを始めとしてニューヨークや東京、名古屋など世界中で個展が行われています。
 
大胆にデフォルメされた馬と自然を描いた作品を主に制作しており、風光明媚なバスク地方に影響を受けた明るく爽やかな画面構成が特徴的です。
紅葉や雪景色など様々な季節を描きますが、特に人気なのは春~夏にかけての緑の季節で、水面に周囲の景色が反射している様子を描いた作品も比較的人気があります。
 
韓奉浩は、韓国ソウル生まれの画家です
主に花や女性像を描くことで有名です。
韓国・日本を中心に活躍、数多くの作品を世に出し、日本では1980年に現美展内閣総理大臣賞を受賞するなど、日本国内でも人気は高まっていきました。
色鮮やかで見るものを釘付けにするその描き方はとても繊細で、作品の主人公となる花や女性をより際立たせる技術は韓奉浩ならではと言えます。
また、中国やアメリカにも活躍の幅を広げ作品を世に出し、日本では1980年に現美展内閣総理大臣賞を受賞するなど、国内外の人気は高まってます。
 
藤島康介は、日本の漫画家・イラストレーターです。
1986年に『Making BE FREE!』でデビューし、代表作に『ああっ女神さまっ』『逮捕しちゃうぞ』などがあります。
『ああっ女神さまっ』は1988年から2014年まで連載されたファンタジーラブコメディです。アニメ化もされ、国内外で人気を集めました。また、『逮捕しちゃうぞ』では女性警察官コンビの活躍を描き、話題になりました。
ゲームのキャラクターデザインでも活躍し、『サクラ大戦』シリーズや『テイルズ』シリーズなど、人気シリーズのデザインも担当しています。
作風の特徴は、繊細で美しいキャラクターのデザインと、バイクや車などの緻密なメカ描写です。現在もバイクレースをテーマにした『トップウGP』を連載中で、精力的に活動を続けています。
藤島康介の版画作品が展開されており、『ああっ女神さまっ』をはじめとした代表作のモチーフは高い人気を持ちます。
珈琲貴族は、1981年生まれのイラストレーター・原画家です。
 
少女イラストを中心に活動しています。清涼感のある色彩、繊細で柔らかな描線、そして日常の中に感じられる心地よい空気感が特徴です。
活動範囲は幅広く、ライトノベルの挿絵、ゲームのキャラクターデザイン、雑誌の表紙イラスト、商品パッケージデザインなど、多岐にわたります。また、同人サークル「ロイヤルマウンテン」にて活動も行っており、自身のサークルで作品を発表することもあります。
 
アールビバンより版画作品が展開されており、数万~20万円近くの評価がつくこともあります。
鶴田一郎は、熊本出身の画家です。
1954年に生まれ、グラフィックデザイン科を卒業後、広告など多方面の仕事を手掛けました。特に、美しい女性を描いた作品は男女問わず人気があります。
 
彼の作品には、しなやかな美しい髪、透き通るような肌、一重で切れ長な目元といった特徴が共通しており、どこか妖艶な雰囲気を漂わせています。特定のモデルを描いているわけではなく、鶴田一郎さんの頭の中にいる理想の女性を思い描いて制作しています。
彼が一躍有名になったのは、1987年に化粧品会社のCMに起用されたことがきっかけでした。それ以降、作品の評価が高まり、幅広い層に支持されるようになりました。
2009年からは仏画の制作も手掛けており、圧倒的な迫力と荘厳な姿、そして慈悲の心が感じられる表情が特徴の美しい作品を生み出しています。
2018年からはニューヨークでも活動を展開し、奇抜なビビッドカラーの作品から、季節感を感じさせる繊細な作品まで、幅広い表現を行っています。
また、現在は尾形光琳に代表される「琳派」を自身の表現に取り入れ、琳派独特の繊細かつ巧妙な画風をリスペクトした「琳派シリーズ」も制作しています。