金子 国義

金子 国義（かねこ くによし）

生没： 1936-2015

金子国義は、埼玉県出身の油彩画家で蕨市で織物業を営む家庭の4男として生まれました。家庭は割と裕福で、幼少期は図画工作に優れたバレエを習っている少年でした。
中学・高校を卒業した後は日本大学芸術学部デザイン学科に入学。歌舞伎舞台芸術家に師事し舞台芸術を学びました。

大学卒業後、グラフィックデザインの会社に就職するも3ヶ月で退社。その後は独学で油絵を学び始めました。
澁澤龍彦と知人関係となり本の挿絵などを依頼されるようになり、その挿絵が魅力的だと注目されるようになりました。その後も、澁澤の紹介で銀座の青木画廊で個展を開くなど、知人の後押しもあり画壇デビューを果たしました。

ここまでは気まぐれで始めた油絵から繋がっていった画家としての人生だが、大きな転機が訪れる出来事があった。
それはイタリアのオリベッティ社が作成した絵本「不思議な国のアリス」の挿絵を担当したことです。この不思議の国のアリスシリーズは、金子國義のキャリアの中で最も有名な作品の一つとなり日本だけでなく世界的に金子国義の名を広めました。

金子国義の作品は、美しさが根底にあり、本人自身も高い美意識を持っており作品の美についての妥協は一切なく、中途半端は全くありません。作調は独特であり、金子国義ワールドとも言える妖艶で神秘性のある美しさです。
型にはまることはなく自分らしさを前面に押し出した作品は、世界的に愛されています。

金子 国義 略歴