本作は、有職御人形司・伊東久重の十二世が手掛けた御所人形です。
伊東家は江戸時代より宮中との関わりの中で御所人形の制作を担ってきた家系として知られています。
本作では着物に身を包んだ子供の姿が表されており、白い肌やふくよかな顔立ち、三頭身前後の体形など、御所人形の特徴がよく表れています。
深緑の布地との対比により、何層にも重ねられた胡粉の白が一層際立っており、切り揃えられた髪には艶があります。穏やかに微笑むその顔はふっくらとしていて、あどけなさを残しながらも気品を感じさせる一作となっています。
本作は伊東家の歴史の中では比較的新しい時代の作品に位置付けられますが、保存状態の良さに加え、市場での評価や美術工芸品としての価値を考慮して上記の査定結果となりました。