石踊達哉は1945年生まれの日本画家です。
満州で生まれ、終戦後日本に帰国して鹿児島で18歳までを過ごしました。
その後は名門・東京藝術大学へ進学し、大学院まで進みました。卒業後はシュルレアリスム色の強い人物画にこだわり、制作していました。しかし1988年、パリ移住しリュクサンブール公園の前にアトリエを持って以後、フランスの文化に触れ続けるうちにかえって日本の伝統的な美の魅力に気付き、花鳥風月をテーマにした作風へと転換しました。
作風としては「平成琳派」とも称される、金箔やプラチナ箔を基礎とした装飾性の強いタッチと、純日本的な花鳥風月のモチーフが特徴となります。
石踊達哉は、国際性を持つ美とは日本画でしか成し得ない表現を通してこそ生まれる、と言います。彼は、日本の伝統美に溢れた自身の絵画を国内に留まらず発表し、日本的美を世界に向けて発信してきました。
古典性と華やかさをモダンに描き上げた石踊達哉の絵画は、広く世界で親しまれています。
ラグーザ・玉は(現・港区)に生まれます。本名、清原玉です。1877年、工部美術学校のお雇い教師として来日していた彫刻家のヴィンチェンツォ・ラグーザと知り合い、のちに彫刻のモデルを務めるようになります。1880年、ラグーザと結婚します。1882年、夫と共にイタリアへ渡り、パレルモ大学美術専攻科に入学し、油彩画やイタリア語を学びます。1884年、ヴィンチェンツォが私立工芸美術学校を創設します。玉は教授となります。同校は、のちにパレルモ市立となり、玉は副校長を務めました。教鞭をとりながら、イタリア国内や海外の美術展に出品し、受賞を重ねました。
緑和堂ではラグーザ・玉の作品を強化買取中でございます。売却を検討されたい作品がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
山本鼎は愛知県岡崎市出身の洋画家です。東京美術学校洋画科在学中、級友森田恒友と常に首席を争つた位で、早くから油彩技術には頭角を現し、渡欧後は一そう優れた技術を示し、院展洋画部、春陽会、官展等で活躍しましたが、画風からいへばアカデミツクな系統に立つ作家でした。又明治の末、創作版画の運動を起し、のち日本創作版画協会を結成、現代版画発生の端緒を作つた外、欧州留学後は農民美術や自由画運動を起し、多方面に功績を残しました。然し、洋画家として最後迄油絵を描きつづけた人で、晩年も尚「時化の朝」などの濶達適確な描写による優れた代表的作品を残しています。
緑和堂では、山本鼎の作品を買取中でございます。売却を検討されたい作品がございましたら、ご気軽にご相談ください。
長谷川潔は神奈川県横浜市に生まれの版画家です。銅版画の巨匠です。日本とフランスの両国で活躍しました。1911年頃に黒田清輝の葵橋洋画研究所に入り素描を学びました。本郷洋画研究所で岡田三郎助、藤島武二に油絵を学びました。1913年から自画自刻による創作板目木版画や木口木版画、銅版画の制作を始め、同人となった文学雑誌「聖盃」(のち「仮面」と改題)や、短歌雑誌「水甕」(みずがめ)の表紙、口絵等の木版画をつくるなど、以後版画の研究、制作に専念します。
1914年には来日中のバーナード・リーチに銅版画法について尋ねます。一方、当時フランスでは技法的には消滅に瀕していた特殊銅版画技法マニエール・ノワールの復興を行い、この技法に唐墨の深みをもつ色調による独自の表現を吹き込み注目されるに至りました。
1918年にフランスへ渡り、様々な銅版画の技法を習熟します。特にメゾチント(マニエール・ノワールとも)と呼ばれる古い版画技法を復活させ、独自の様式として確立させたことで有名です。
小村雪岱は埼玉県川越市生まれの大正から昭和初期の日本画家、版画家、挿絵画家、装幀家です。1908年、東京美術学校日本画科選科卒業します。1914年、泉鏡花『日本橋』(千章館)の装幀を手がけ、以後、鏡花本のほとんどの装幀をまかされる。また、水上瀧太郎や久保田万太郎、里見弴、昭和にはいってからは邦枝完二や長谷川伸、子母澤寛ら、大衆小説作家らの著書の装幀を多く手がけています。挿絵画家としては邦枝完二の新聞連載小説「おせん」や「お伝地獄」で確固たる地位を築き、舞台装置家としては守田勘彌「忠直卿行状記」を嚆矢として、中村歌右衛門や尾上菊五郎の舞台の装置を多く手がけました。装幀、挿絵、舞台装置と三つの分野で才能をいかんなく発揮しました。
上村松篁の子として京都に生まれる。特別科学学級での同級に、伊丹十三がいた。父同様、花鳥画を描きます。幼い頃から父松篁 の飼う小鳥達と共に過ごして来たため、鳥達が常に身近に居ることはごく自然なことでした。上村淳之は絵の道に進むと同時に奈良平城へいじょうへ移り住み、この自然豊かな中にあるアトリエ「唳禽荘」(れいきんそう)で好きな鳥たちと共に暮らしながら移ろう季節を知り、またその生き様から多くを学びとり創作活動を続けて来ました。じっくり鳥たちと向き合いながら紡ぎだされた淳之の作品からは、清澄な空間にこめられた深遠なる自然への画家の真摯な眼差しが感じられ、独自の「花鳥画の世界」を見て取れます。
緑和堂では、上村 淳之の作品を強化買取中でございます。売却を検討されたい作品がございましたら、ご気軽にお問い合わせください。