斉藤 和

斉藤和は、京都府久美浜町出身の日本画家です。

1987年に京都市立芸術大学日本画専攻を卒業したあと、日本画家としての活動を本格化し、京都美術工芸展で大賞を受賞するなど現在まで多くの受賞履歴を残しています。

斉藤が描くのは主に風景画です。作品の特徴は、全体を柔らかく包むような青や緑の色彩描写です。月星に社、桜に風といった古来の和を趣深く幻想的な雰囲気で表現し、みる人を安らぎへ導くような絵画が印象的です。

斉藤が最初に扱い、日本画を始めるルーツとなった岩絵の具が緑青だったといいます。色味の持つ美しさを引き出し、またモチーフの厳かな佇まいを引き出すような色彩のタッチには、日本画の伝統美の最先端を感じることが出来ます。

近年も全国で個展が開催されており、目に留まる機会は少なくないかもしれません。斉藤和の作品に触れる機会がございましたら、是非作品の色彩があらわす幽玄な雰囲気をその肌で感じ取ってみてください。

宮崎 次郎

宮崎次郎は1961年、埼玉県浦和市に生まれました。

1987年頃より中根寛に師事し、繊細な点描によるグラデーションの技術など節々に影響を感じることができます。

1996年~97年には文芸誌「新潮」の目次挿絵を担当、初の個展も開催しました。以降、現在に至るまで日本全国で個展を行っています。

1997年から約2年に渡って、文化庁が「将来の文化芸術振興を担う人材を育成する」ことを目的として行っている文化庁派遣芸術家在外研修員として渡仏しています。

2004年には初の画集となる「宮崎次郎画集 サウダード」を出版しました。
サウダードとはポルトガル語で郷愁、憧憬などの意味合いを持つ単語で、日本語には適訳が存在しません。
1993年頃より「リリシズムの画家展」にも出品していますが、この「リリシズム」も叙述詩的な趣や味わいを指す言葉で、サウダードと併せて宮崎次郎の絵を描く上での大きなテーマとなっています。

日没直後のような赤みの強い空にデフォルメのきいた人物画を多く描いており、寓話的な独特の世界観で「サウダード」を表現しています。

島倉 仁

島倉 仁(しまくら じん)は1940年に新潟県で生を受けます。
島倉が美術界で名を馳せたのは、中学生の時でした。新潟県美術展にて中学生の時に入選。その後文部大臣賞、郵政大臣賞を受賞するなど若くして頭角を現します。
1960年には版画を勉強する傍ら上京し、東宝に入社します。
かの有名な映画監督・黒沢明をはじめ、伊丹十三、岡本喜八、大林宣彦作品に参加して装飾美術を体得していきます。
フリーになったのは1981年で、島倉が41歳の時でした。
アトリエを主宰し、背景画家としてテレビ、CM、映画など多くの作品を手掛け、また各地の博物館から内装壁画の依頼も殺到します。
1992年には黒沢明監督作品「まあだだよ」のエンディングに使われた夕景作品が評価され、日本アカデミー協会特別賞を受賞。93年には作品制作を開始し、第1作『トレメンダス』を発表。全国各地で展覧会も行われます。
95年には国際エミー賞、2005年には文化庁映画功労賞、第50回映画の日永年功労賞を受賞するなど様々な賞を受賞します。
ゴジラシリーズやウルトラマンシリーズの空や雲は島倉の手掛けたものであり、それが知られると週刊誌やテレビ、新聞など幅広く周知されるようになります。
特に評価が高いものが「空」と「雲」で、雲の描き手としは業界の第一人者という異名を持つほどです。

木村 荘八

木村 荘八は、東京都生まれの日本を代表とする洋画家の一人です。

父の荘平は、明治中期に牛鍋屋を創業した当主で、弟は、作家や映画監督と、
多彩な方面で、活躍されているご家族がいらっしゃいます。
文学や演劇に関心を持っていましたが、長男の許可を得て、白馬会葵橋洋画研究所に入って岸田劉生を知り、1912年に、フュウザン会の結成に加わり、
『虎の門付近』など革新的な作品を発表しました。

また、当時から文筆の才に優れており、多くの西洋美術書の翻訳を始めます。
1915年には、岸田劉生、中川和正らと草土社を創立、1922年には、春陽会創立に客員として参加し、のちに中心的な会員として活躍します。
昭和初期の代表的作品『パンの会』『牛肉店帳場』などは春陽展に発表しており、油絵のほか、『にごりえ』『霧笛(むてき)』などの挿絵も得意とし、数々の成績を収めております。

洋画家の一面もございますが、日本の伝統文化を描いた挿絵画家・日本画家の顔もあり、特に東京の下町風俗を描いた挿絵は大変高い評価をされていて、大衆の方にも、大変人気だったようです。
作品を見ると、その情景がすぐに思い浮かぶ、非常に魅力的な作品ばかりでございます。

フランシスコ・マッセリア

フランシスコ・マッセリアは、アルゼンチン生まれの油彩画家です。

画家として活躍する前は、工業デザイナーとして活躍しており、
1962年、ローマに移住し、絵画創作に力を注いでいきます。その後、パリにもアトリエを構え、また、イギリスの陶磁器で有名なロイヤル・ドルトンの陶器絵付もしており、才能を大いに発揮しております。
ヨーロッパ各国、アメリカ、カナダなど、世界各地で展覧会を開催しており、
1991年には、日本でも初めての個展を開催しました。

作品の特徴としましては、少女や女性を描くことが多く、女性そのものを純粋な心で捉え、その思いが作品一つ一つ、顕著に表れていると思います。
表情や輪郭、髪など細かいタッチで描かれており、色使いは鮮やかな表面、フランシスコ・マッセリア独特の色彩も、観る人が惹かれる理由がすごく分かります。

田中 拓馬

田中拓馬は、1977年、東京都生まれの画家です。

幼少期から埼玉県で過ごし、埼玉県立浦和高等学校を卒業したのち弁護士を目指し早稲田大学法学部に進学しました。ですがその後2度司法試験で不合格になったことにより体調を崩し、リハビリの為絵を描き始めました。
馴染み深い浦和の路上で絵を売り始めたところこれが人気を博し、銀座でも絵の路上販売を開始しました。

絵を描き始めて半年で埼玉県展で入選、2年経たないうちに二科展入選など、多くの展覧会等にて入選・受賞していきます。

油彩を基本として、アクリル絵具や展色材など複数の画材を同じ画面に使用する技法が特徴的です。
代表的な作品・シリーズとして、黄色い体色にウサギのような耳を持つネコウサギというオリジナルキャラクターや、人間を寿司にしてネコウサギが食べてしまう「人間寿司」、骸骨のモチーフが大きく描かれた「SKALL」などがあります。

近年は上海やニューヨークを始めとして海外でも個展を多く開催しており、新進気鋭の若手作家として注目されています。

吉田 善彦

吉田善彦は、20世紀の正統派日本画を代表する巨匠です。 1912年の東京に呉服屋の次男として生まれ、17歳の頃から日本画家・速水御舟に弟子入りします。そこでは古典模写、デッサン、絵に対する心持ちなど多くのことを学び、生涯 …

内田 新哉

内田新哉は、熊本県出身の日本を代表とするイラストレーターです。 愛知教育大学美術科卒業後に大工を志しますが挫折してしまいます。元々一人旅が好きだった為シルクロードやアメリカ、欧州圏などと放浪していく中で、絵を志すに至りま …

西村 功

西村功は1923年生まれ、大阪府出身の洋画家です。 1948年に帝国美術学校(現武蔵野美術大学)を卒業後、本格的に洋画家の道を進み始めます。 1950年代のはじめ、赤帽を題材にしたことを契機として、プラットホームや駅員、 …

小杉 小二郎

小杉小二郎は1944年生まれの画家です。 祖父に日本画家の小杉放庵、父に東洋美術研究者の小杉一雄、叔父に工業デザイナーの小杉二郎を持つ美術一家の生まれです。 叔父の影響を受け日本大学芸術学部工業デザイン科を卒業しますが、 …

大矢 亮

大矢亮は、名古屋出身の油彩画家です。 1974年に名古屋市で生まれ、6歳の時から絵画教室に通い、絵と共に過ごしてきました。 1998年に愛知県立芸術大学日本画科を卒業後、同年の院展にて初入選を果たします。2000年に大学 …

パブロ・ピカソ

パブロ・ピカソはフランスを拠点に活動した画家で、キュビズムの創始者です。 現代においてその名を聞かないことはないほどの有名画家であり、「20世紀最大の画家」と呼ばれています。 生涯に渡って芸術活動を行い、残した作品は油彩 …

遠藤 彰子

遠藤 彰子は日本の現代を代表とする洋画家の1人です。 1970年代から現在まで、自然や生命の循環をテーマに深い物語性を感じられる作品を多く発表しております。 1947年東京都中野区で生まれ、幼少の頃から絵に親しみをもって …

立川広己

立川広己は東京品川区に生まれ、武蔵野美術大学にて洋画を学びました。その後様々な展覧会に作品を出品し多くの賞を受賞しています。特に本人が画家人生の転機と言っているのが、かの一枚の檜会の「現代洋画精鋭選抜展記念大展」にて『古 …

堀江史郎

堀江史郎は日本の画家です。 油彩画、水彩画のどちらも描き、静物画・肖像画・人物画、他にも犬や猫の絵も得意とする非常に多彩なジャンルで活躍していらっしゃる方です。 堀江史郎は1957年東京に生まれます。 時代は高度経済成長 …

黒光 茂明

黒光茂明は1946年、終戦の翌年に京都に生まれます。 父は日本画家である黒光茂樹であり、その父の影響を受け画家を志すようになりました。 京都市立芸術大学に入学し、在学中の1969年には新制作協会日本画部にて入選。70年に …

やなせ たかし

やなせたかしは、日本の漫画家・絵本作家です。 老若男女問わず誰もが知っていると言っても過言ではない国民的キャラクター「アンパンマン」の生みの親として知られています。 1919年に生まれ、東京高等工芸学校図案科を卒業した後 …

井堂 雅夫

井堂雅夫は20世紀後半より活躍した木版画家、そしてアクリル絵画家です。 雅夫は盛岡で育ち、15歳の時に京都に移住します。そこで伝統と技が創る美の世界と出会い、工芸作家を志すようになりました。 京都で染色技法を研鑽していた …

立石 春美

立石春美は、1908年に佐賀県生まれの画家です。 1927年に上京し洋画家の梶原貫五の紹介により鏑木清方に入門を願うがかなわず、1928年に深水画塾に入り、伊東深水に師事、洋画から路線を変更して日本画を学びます。 師であ …

曽根 茂

曽根 茂は、油彩で風景画を描く写実画家です。 1971年生まれで 三重県菰野町(こものちょう)で生まれます。 小さい頃から写実画を描き続けており、個展などにも出展し、学生をしながら絵を描き続け、1996年に京都大学文学部 …

高野 三三男

高野三三男は1900年代の日本とフランスで活躍した画家です。 1922年に東京美術学校(現・東京藝術大学)洋画科に入学するも、1924年に起きた関東大震災にて被災。その復興の騒ぎで落ち着いて絵画の制作が出来ないことからフ …

三輪 良平

三輪良平は美人画を中心に描かれた昭和後期から平成時代に活躍した日本の画家です。 京都市の表具師の次男として生まれ、京都市立美術専門学校卒業後、山口華楊に師事し華揚が代表をつとめる晨鳥社(しんちょうしゃ)へ入塾すると翌年に …

佐藤 潤

佐藤潤は生物多様性をテーマに絶滅危惧種の動物たちを描く鳥獣画家で、動物画家として大変人気があります。 そんな佐藤潤は、1970年大阪市に生まれ、幼少期を大阪の工場街で過ごしました。自然、土や木々、虫たちなどとは縁の無い場 …

高橋新三郎

新三郎は、1955年に東京で生まれました。 1979年に第34回春の院展初出品入選、以降様々な賞を受賞します。 1983年に東京芸術大学大学院修了、在学中に平山郁夫教室で学び、その後は院展への出品以外にも、個展やグループ …

秋山巌

秋山巌は1921年、大分県竹田市生まれの版画家です。 19歳の頃海軍に志願し、終戦後は東京で警察官として勤務しながら版画の制作を行ってきました。 32歳の頃に見た棟方志功の版画を見て大きな衝撃を受け、6年後日本版画院の会 …