櫻井孝美は1944年埼玉県出身の洋画家です。
1968年に日本大学芸術学部を卒業してすぐに繊維工場のデザイナーとして富士吉田市に移りました。デザイナーの仕事の傍ら、創作活動を続けており、1976年「土日会」の結成に参加しました。その後、山梨美術協会展や東京セントラル美術館油絵大賞展などに出品し、1988年には富士吉田市賞を受賞しています。1993年と1997年に個人展を開いており、1998年には「心象富士36景展」で全国巡回を果たしています。様々な展覧会への出品や展覧会の開催を重ね、2007年に「土日会」の会長に就任しました。2015年には画集を刊行しています。1980年代を代表する画家の一人としても知られており、現在でも活動を続けています。
作風は、富士山と太陽をモチーフとした作品がメジャーな作家です。モチーフが変わらず、視点や色合いを変化させることで様々な趣向や表情を楽しむことができます。
生没:1912ー1999年
山本 彪一 (やまもと ひょういち) は1912年生まれ。栃木県出身の画家です。
幼少の頃から絵に興味を持ち、楽しみとして絵を描いていた。早稲田大学商学部卒業後本格的に画家を志すようになりました。その後独学で絵を学び、後に猪野玄一郎に師事しました。
1942年師の猪野の勧めで新制作展に出品。日展や光風会で活躍し光風会会員となり、その後ヨーロッパに遊学。帰国後日本画壇での名声を高め1977年にはフランス・パームコマンドール勲章を受章した。しかし山本彪一は勲章などにはあまり興味を示さなかったことから、絵に対する純粋な愛が感じられます。
通常の画家とは異なった経歴を持ち、大学までは、芸術・美術の学校へは通っておらず学生時代は勉学に励んでいたとされています。そのため「異色」の画家と呼ばれています。
欧州の街や薔薇の絵が作品として多く残っており、晩年の作品ほど色彩の鮮やかさが増しているものが多いとされています。
九鬼三郎は、兵庫県出身の油彩画家です。
1951年に生まれ、現在まで多くの作品を残されています。
パリの美術学校であるアカデミー・ド・ラ・グランショミエールで学び、後年にはパリ芸術大賞を受賞します。受賞後は全国で個展を開催するなど、精力的に活動されました。2022年には国際芸術審議会より、日本を代表する近代画家30名の中の一人に選出されています。
九鬼三郎の作品で最も見かけるのは、草花が花瓶や茶碗に生けられた構図ではないでしょうか。
モチーフとなる花瓶や茶碗は桃山時代〜江戸時代のものであるとされ、古陶器と花の調和が重んじられた作風がとられています。写実性が高く、独特のフィルムを通したような色使いと陰影表現には作品の持つ奥ゆかしい美が感じられます。
注目を集めた当時から現在まで、根強いファンだけでなく世界中の美術関係者より長く評価される作家さんです。お目にかかる機会がございましたら、作品の特別な表現を感じてみてください。
中原 脩は日本の画家・イラストレーターで、主に女性をモチーフとした油彩を制作していますが「中川 脩」の名前で日本画も発表している人物でもあります。
1946年に神奈川県に生まれ、東京藝術大学日本画科を卒業し、東京藝術大学大学院美術研究科修了したのち画家として制作活動に励みます。油彩では女性を主に描き、裸婦展に入選したりその他の絵画展でも精力的に活動しました。日本画家としては伝統的な日本画を精力的に描き、同一人物と思えないほど作風が変わります。また、イラストレーターとして本の装画の制作なども行い、活動の幅を広げています。
中原が多く描いた優しく繊細なタッチの少しうつむき加減な女性は気品に満ちた雰囲気があり人気が高いです。また大きな帽子をかぶったモチーフの事が多いことも特徴の一つです。
洋画と日本画では少し洋画の方が人気が高いように感じますが、画家として名前も変えて二足の草鞋を履く独自のスタイルを築いています。
奥西賀男は、岐阜県岐阜市出身の油彩画家です。
1945年に生まれ、現在まで多くの作品を残されています。
東京藝術大学の出身であり、油画科の小磯良平教室で学んでおりました。卒業後、しばらくしてフランスに渡り、パリ国立美術大学に入学します。そこではピエール・マッティーに師事し、翌年にはサロン・ドートンヌで入選を果たします。以後は積極的に個展を開催するなど、画家として確実に階段を踏みしめてきました。1992年からは毎年現美展に出品するなど、平成以後も活躍をとどめない作家さんです。
奥西のエッセンスがよく感じ取れるのが、季節を映した風景画や花の静物画ではないでしょうか。特に花瓶に生けられた花の作品は、奥西の魅力が最も現れる題材でしょう。柔らかな色彩を扱い、一方ではっきりと繊細に描画が行われます。モチーフとなる題材だけでなく、背景の小道具まで静謐に描き切ることで作品に深みが感じられます。
奥西の作品は、現在においても多くのコレクターを魅了しております。
織田広比古は、東京都出身の洋画家です。
1953年、仁科会理事長を務めた織田廣喜の子として生まれ、画家一家の中で育ちました。東京造形大学卒業後、銀座能楽堂の画廊で三人展が開かれ、画家として活動しました。その後も銀座を中心に東京で個展を開いていき数々の賞も受賞していきました。
1988年、仁科展でパリ賞を受賞し、1990年に仁科展の会友、1996年には仁科展会員となります。この一連の活動の中で知名度も大きく広まり、札幌・名古屋・福岡・横浜など日本中で個展を開きました。
2009年にパリで若くして逝去しました。
作風は夕焼けや日没を背景にしており、メランコリーな色調が特徴です。幻想的な雰囲気の中で楽器を演奏する女性のモチーフが多く、明るい印象を受ける作家です。