納豆はよく混ぜるとおいしいのか?魯山人流にやってみた

魯山人流 納豆の食べ方とは

この記事でわかること

  • 納豆はよく混ぜると本当においしくなるのか
  • 魯山人が随筆で紹介している納豆の練り方
  • 「424回」という数字は、実は魯山人自身の言葉ではないこと
  • 練り方のコツと実際に練ってみた感想

北大路魯山人は、陶芸や書、篆刻など幅広い分野で作品を残し、美食家としても名を馳せた人物です。中でも「納豆の練り方」について深いこだわりを持っており、たびたび随筆の中で独自の持論を展開しています。今回は実際に魯山人風の納豆の練り方を試してみることにしました。

魯山人自身が書いていたのはどんな食べ方か

納豆の混ぜ方について、魯山人は「納豆を器に出して、それになにも加えないで、そのまま、二本の箸でよくねりまぜる」ことから始めるよう書いています。糸が多く出るほど美味くなるとしています。十分に練り上げたら醤油を数滴ずつ加えてはさらに練ることを繰り返し、糸の姿がなくなったところでからしを加えて仕上げます。好みでねぎのみじん切りを加えてもよいとも書かれています。また、魯山人は「納豆食いで通がる人」は醤油の代わりに塩を使うとも書いています。塩で食べることは「さっぱりして確かに好ましい」と評価しつつも、一般には醤油を使う方が無難だとも述べています。

実は424回ではなかった?

魯山人風納豆の練り方を調べると「424回かき混ぜる」という数字が出てきます。練り方については丁寧に書かれているのに、実際は回数の記述が出てきていません。よく見かける数字は一体どこから来たのだろうと調べてみると、実は魯山人自身の言葉ではないことが分かりました。

「424回」という数字は、納豆混ぜ機を開発した会社が随筆の記述をもとに導き出した数字だそうです。とはいえ、魯山人自身が書き残していたのは「不精をしないで、極力ねりかえすべきである」という姿勢の指南であり、具体的な数字への言及は見当たりませんでした。

実際に練ってみた

納豆をよく混ぜると実際にどれくらい違うのか気になり、納豆1パックを深めの器に移し、何も加えずにひたすら箸で練ってみました。

最初の10〜20回ほどは軽い手応えで、いつもの納豆とさほど変わりません。ところが50回を過ぎたあたりから急に糸の粘りが増し、箸を動かすたびに引っ張られるような重さを感じ始めます。100回を超えるころには、動かすスピードも自然と落ちてきました。最初は1秒に2回ほどのテンポで練れていたのが、糸が増えるにつれて1秒に1回程度まで鈍っていきます。200回、300回と進めるうちに、豆の表面が白っぽい膜のようなものに包まれていき、見た目がまるで別の食材のように変わっていきました。

糸がしっかり出て、これ以上練るのが大変になってきたところで醤油を数滴。さらに練り込み、糸の姿がなくなったところでからしを加え、さらに混ぜていきました。

よく混ぜた納豆を食べた感想

仕上げに一口食べてみると、いつもパックのまま2〜3回混ぜただけの納豆とは、粒の口当たりがまったく違いました。豆一つひとつがなめらかな膜に包まれ、後味の苦みも和らいでいるのが分かります。一方で、どこまでも練り続ければよいわけではなさそうだ、とも感じました。試しに箸を止めず、さらに数分練り続けてみると、糸は増える一方で箸がほとんど動かせないほど重くなり、10分近く経ったあたりで豆の粒自体が崩れてしまいました。糸の量が増えるほど美味しくなるという記述のとおりではあるのですが、練りすぎると今度は豆本来の粒立ちが失われてしまう印象でした。

魯山人が「不精をしないで、極力ねりかえすべきである」と書いた真意は、際限なく練り続けることではなく、糸がしっかり出て豆が滑らかになるところまで手を抜かずに練る、という意味だったのではないかと感じました。

まとめ|よく混ぜるとおいしいのか?

結論から言うと、よく練るとたしかにおいしくなります。糸がしっかり出るまで練ることで口当たりがなめらかになり、後味の苦みも和らぐのを実際に感じました。ただし「424回」という数字は魯山人自身の言葉ではなく、後年の商品開発から生まれた目安です。練りすぎれば豆の粒がつぶれてしまうこともあり、数字そのものより、糸が十分に出るところまで丁寧に練るという姿勢が本質のようです。

北大路魯山人についてさらに知りたい方はこちら

北大路 魯山人のページ

北大路 魯山人の参考買取価格

※参考買取価格は当日の価格であり、その価格を保証するものではありませんので予めご了承下さい。

※状態や付属品の有無、買取方法などによって価格が変動いたします。

この記事の監修者

株式会社 緑和堂
鑑定士、整理収納アドバイザー
石垣 友也

鑑定士として10年以上経歴があり、骨董・美術品全般に精通している。また、鑑定だけでなく、茶碗・ぐい吞み、フィギュリンなどを自身で収集するほどの美術品マニア。 プライベートでは個店や窯元へ訪れては、陶芸家へ実際の話を伺い、知識の吸収を怠らない。 鑑定は骨董品だけでなく、レトロおもちゃ・カード類など蒐集家アイテムも得意。 整理収納アドバイザーの資格を有している為、お客様の片づけのお悩みも解決できることからお客様からの信頼も厚い。

査定・鑑定料、出張費すべて無料
お気軽にご来店・ご相談下さい。

  • 京都 五山の送り火 2025 CM放映予定!
  • 出張鑑定会
  • 店頭持ち込み限定キャンペーン実施中
  • 出張買取応援キャンペーン
  • メディア出演実績

こちらのコラムも読まれています