
北大路魯山人は骨董品の世界では超がつくほどの有名作家ですが、実は料理においても非常にこだわりを持った人物だったということはご存じでしょうか?
私たち緑和堂でも北大路魯山人の作品は幾度も鑑定させていただいてきましたので、魯山人が器と同じくらい料理にもこだわっていた、というのは知識として知ってはいたのですが、実際に自分の手で作ったことは一度もなく、今回思い切って挑戦してみることにしました。
この記事でわかること
- 魯山人風すき焼きが、一般的なすき焼きとどう違うのか
- 実際に作ってみた手順と、率直な感想
- 「焼いてから煮る」という順番に、どんな意味があるのか
- 魯山人が料理と同じくらい器にこだわっていたこと
一般的なすき焼きに対する魯山人の感想
魯山人は随筆「料理メモ」の中で、東京の牛肉屋のすき焼きのタレを「甘い」と評していて、酒と醤油を加えて自分なりに味を調えることを勧めています。肉はロースやヒレを両面焼かず半熟でいただき、具材を最初から一緒くたに煮込むのは「書生食い」だとして、きっぱり区別していました。
人物像を先に知りたい方へ
実際に作ってみた
今回は材料として以下のものを用意しました。一般的には砂糖が割り下に入っていますが、魯山人風すき焼きには入っていないのが特徴的です。
- 牛肩ロース(すき焼き用):300g
- 白ネギ:1本
- 豆腐:半丁
- 春菊:ひとつかみ
- 牛脂:少々
★割り下の材料
- 酒、醤油、みりん:各大さじ2
【作り方】
- 鍋を熱して牛脂を溶かす。
- 肉だけを焼く。色がさっと変わったところで一度取り出す。
- 割り下を軽く煮立てる。
- ふつふつとして酒が飛んだら野菜を入れて少し似る。
- 最後に肉を戻す。
【実際に作って食べてみた感想】
一度に鍋いっぱいの具材を入れる普段のすき焼きに慣れていると、肉と野菜を分けて焼く・煮るという作り方は正直手間がかかります。一人分ならちょうどいいですが、大人数でわいわい食べるスタイルには向かないかもしれません。とはいえ、素材ひとつひとつの味がはっきり分かるので、「今日は特別な牛肉だから」という日には試す価値があるやり方だと感じました。
また、味は砂糖を使っていないので、割り下を少し舐めてみると「これで大丈夫だろうか」と正直不安になりました。ただ実際に肉や野菜と一緒に食べてみると、思っていたよりずっと物足りなさはなく、むしろ肉そのものの脂の甘みがはっきり感じられて、いつものすき焼きとは違うおいしさがありました。
器にもこだわった人だった
魯山人は、こんな言葉を遺しています。
「食器は料理の着物である」
その言葉の通り、魯山人は自ら作った器に、自ら作った料理を盛りつけることにこだわり続けた人でした。今回作ったすき焼きも、もし魯山人の器で食べたらまた印象が違ったのかもしれません。
緑和堂が見てきた、魯山人の器
緑和堂でも、これまで魯山人が手がけた湯呑や土瓶などをお譲りいただいてきました。以前拝見した作品も、まさに「食器は料理の着物」というこだわりを感じ取れる一品でした。
北大路 魯山人の最近の買取実績
※サインや箱書きの有無、写しとの見分け方など、手元の作品について具体的に確認したい方は、あわせて以下もご覧ください。
まとめ|一鍋の中にも、魯山人の美意識がある
実際に作ってみると、材料や割り下だけでは伝わらない手間と工夫がありました。肉をまず焼き、それから野菜を煮るという順番を守るだけで、素材ひとつひとつの味がまっすぐ楽しめます。
この作り方は、自ら焼いた器に自ら作った料理を盛るという、魯山人のもう一つのこだわりにもそのままつながっています。今回の記事をとおして料理から北大路魯山人に興味を持った方は、次はぜひ器にも目を向けててはいかがでしょうか。
その一皿、その一枚にもこだわりがあるかもしれません
緑和堂では、北大路魯山人の陶芸・書画・漆芸などを鑑定・買取しております。作品名や真贋がわからない場合、箱が付属していない場合も、まずは現状のままご相談ください。査定・鑑定料、出張費はすべて無料です。
北大路 魯山人の参考買取価格
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