「座」とは、現在で言う同業者組合の事で、平安遷都とともに、奈良から鋳物師が移り住んだことからその歴史が始まり、茶道の隆起とともに釜座から数多くの名工を輩出されました。
初代高木治良兵衛は釜師・大西浄雪のもとで学び、高木家に婿養子になり高木治良兵衛を名乗るようになります。
2代高木治良兵衛は、富岡鉄斎と親交があり、鉄斎好みの釜の制作に従事しました。
3代も鉄斎好みの釜の制作を引き継ぎます。その傍ら、茶道各流派好みの風炉釜なども手掛けるようになりました。
4代になると新しい技術を取り入れ、水墨画タッチで地紋を表現する新しい京釜の制作を行うようになりました。
5代は42歳という若さで亡くなってしまい、5代の義理の弟が6代として味わいのある侘びを意識した治良兵衛釜を製作し、釜座町に残る釜師として伝統の技術を守りながら、この伝統を絶やさぬようしっかりと技術を若者に伝えています。
また、作品は釜以外にも鉄瓶や建水、蓋置などを手掛けます。金工師として茶道具の制作も行っており、数多くの作品が存在します。
今回の作品は金工師としての作品で非常にきれいな作品を作り出しており、見ごたえもすごいものです。このようなことから今回はこのような評価となりました。