皆様、こんにちは。緑和堂京都本店です。
今回ご紹介する作品は黒光 茂明 作 『牡丹』になります。
黒光茂明は京都生まれの画家で、京都市立芸術大学日本画科を卒業後、京都画壇の正統派として活躍し、現代の京都日本画壇のリーダーとしての役目を果たしながら活動を続けています。
黒光茂明の父親も画家としてとても有名な黒光茂樹で、金島桂華、福田平八郎に師事していました。戦前から帝展、日展を舞台に活躍し、審査員を務める傍ら、花鳥や大地に向き合って自然界の命を表現し続けました。
そんな父親の影響を大きく受けた黒光茂明は、父親の茂樹と同じく京都府文化賞功労賞を受賞しました。
黒光茂明の作品には岩絵具(いわえのぐ)が使用されています。
岩絵具は、天然の鉱石や人工で作られた鉱石を砕いて作られる粒子状の日本画絵具です。
砂のように粗く、艶の無い質感が特徴で、絵具とは言いましたが岩絵具そのものには粘着性が無く、膠液を加え粘着性を出し描いていきます。
岩絵具の特徴として、粒子の大きさの違いで斑の色調を描くことが可能です。他にも重ねた色の違いで深みを出したりと、描くことの難しさや大変さはありますが表現の幅は広くなるのが特徴です。
そんな技法を使い描いているのが黒光茂明です。そんな彼の作品は、日本の美をこれでもかとばかりに表現されており見る者の目と心を奪います。
今回の作品は、共シールもあり、状態等を考慮してこちらの評価となりました。