皆様、こんにちは。緑和堂京都本店です。
今回は、井上 稔 作『大和西の京』をご紹介いたします。
井上 稔は1936年4月16日、京都市に生まれた日本画家です。
中村大三郎の元で絵画を学び、徐々に頭角を現していきます。
稔の兄である野々内良樹ものちに日本画家となり、弟の野々内宏も日本画家となります。
井上稔の影響かどうかは定かではありませんが、三兄弟が日本画家という家族も珍しいのではないでしょうか。
画家としての経歴は、1957年の第13回日展に『校倉』初入選、全関西美術展に出品した『風景』で佳作賞受賞などの数多くの入選歴を持ち、着実にキャリアを積んでいきます。
今回の作品には、奈良の風景が描かれていますが、井上稔はよく奈良の地を題材にした作品を描いています。
こちらの作品は午後の優しい陽気を感じさせ、そして淡く描かれた月が夕方であることを教えてくれます。
一日の終わりが近づいていますが、そんな終わりを感じさせない穏やかさがそこにはあるように感じます。
状態としても非常に良く、今回はこちらの評価とさせて頂きました。