皆様こんにちは、緑和堂京都本店です。
本日ご紹介する作品は、クリフトン・カーフ作『屋根瓦』です。
クリフトン・カーフはアメリカの版画家です。
カーフの作品は創作版画と呼ばれるもので、木版画の全ての工程を一人で行うのが特徴です。
その作品は鮮やかな色使いや繊細な線で丁寧に表現され、国内外に多くのファンを持ちます。
こちらはふと窓から見た景色がそのまま切り取られたような、親しみやすい作品ですね。
穏やかな風に揺られる洗濯物の周りを取り囲む屋根瓦。
私が子供の頃は青や鶯色の釉薬瓦が使われた家が多く、カーフと同じようにその瓦を見つめて色の濃淡や光の加減を楽しんでいた事を思い出しました。
色の違う場所は壊れて直したのかな、などと瓦一つで色んなことを想像したりしていたのに、大人になるとそんなことは気にも留めないばかりか日常の景色をじっくり楽しむという行為そのものをしなくなったなと思い、カーフはいかにそういった何気無い日々を愛し大切にしていたかが伺えました。