皆様こんにちは、緑和堂京都本店です。
本日ご紹介する作品は、クリフトン・カーフ『二条陣屋』です。
作者のクリフトン・カーフはアメリカの版画家です。幼い頃から絵を描く事を好んでいたカーフは日本に強く惹かれおり、成人期から晩年まで日本で過ごしていました。
カーフの作品は繊細な線を多く使用して作られています。版画という特性上、細かな線は多いほど制作に手間と時間がかかります。しかしこれを使うことで作品には立体感が生まれ、奥行きを広げる事ができます。
こちらの作品は二条陣屋をモチーフにしたものです。二条陣屋は江戸後期建築の町家で、西国大名の宿舎にも使用されていた為、身辺警護に天井の武者隠し、吊り階段、落し階段など敵の侵入を防ぐ工夫が各所に見られます。
個人所有の民家ではありますが予約をすれば見学可能だそうですので、カーフの見た景色を探しに行くのも面白そうですね。
縦に長い作品ですが圧迫感なく抜けるような奥行きが表現されているのは流石です。