皆さんこんにちは、緑和堂京都本店です。
今回ご紹介させていただきます絵画は、吉井英二 作『富岳』です。
吉井英二は、1930年の生まれの高知県出身の日本画家です。戦前から戦後にかけて二科会を中心に活躍し、二科展安田火災美術財団奨励賞受賞などの多くの評価を受けました。
作品は力強い自然や虎などの動植物が高い評価を得ており、掛け軸にしてお部屋に飾られる方も多く、一方で儚げな少女の絵は額装で飾られており、幅広い需要で満たしています。
画風としては基本的には山や風景などの雄大な自然を大きく描き、虎や鯉などの動物は美しく緻密に描いています。本作でも、富士が強く美しく描かれており、富士の持つ魅力をシンプルながらも忠実に強い説得力を持って表現されています。
その中にも雲の美しさをかなり高く、遠く離れた視点から描いており、それにより時期を察することができます。
それは雪景色に特徴をつけて描いていることです。雪が解けている部分がまばらにあり、徐々に気温が高くなっている冬と春の境目にある景色を描いている事がわかります。このような気づきで見方が変わる面白さのある作品になっています。
今回は絵にヤケやシミなどは無く状態は良かったのですが、サイズが大きく簡単に持ち運びするのが難しい絵画のため、この評価となりました。