皆さんこんにちは、緑和堂東京支店でございます。
今回ご紹介致します作品は、銅版画家駒井哲郎のエッチング・アクアチント作品「鳥と果実」です。縦横およそ15cmの大きさでタイトル通りのモチーフが表現された作品となっております。こちらは作者保存用に製作された物になる為、一般流通用の作品よりも評価が下がるものとなります。
作品の状態としましては全体にとても薄くヤケがありますが、目立ったシミや汚れはございません。アクリル板に軽くこすった傷が薄くございます。上記を考慮致しまして今回の評価とさせていただきました。
駒井哲郎は銅版画作家として今も人気のある作家の一人です。
生涯にわたってエッチング作品を手掛けており、パウル・クレーに強く影響を受けた抽象作品をはじめ、風景画などの写実的な作品も製作しておりました。幻想的な印象を受ける作品を多く製作していた為、その技術の高さから「銅板詩人」と呼ばれていました。同時代に活躍していた版画家「棟方志功」や「浜口陽三」などとならび、銅版画作品の普及と地位向上に貢献した功労者の一人といえるでしょう。
代表的な作品に「束の間の幻影」や「森の中の空地」などがあり、エッチングやアクアチントの技法を用いて微妙な濃淡を表現し、幻想的でどこかノスタルジックな印象を受ける見事な作品となっており多くの人を魅了しました。