皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回ご紹介するお品物はこちら。斎藤清の1982年の作品『慈愛(G)』でございます。
斎藤清は1907年生まれ、福島県出身の版画家です。
幼いころからイラストを描くことを好み、24歳で上京してからも広告業に勤しみつつ独学で油絵を描いていました。
29歳の時から独学で木版画制作を行うようになり、同年には初めての木版画が日本版画協会展入選を果たします。以後、木版画制作へ傾倒するようになりました。
後年の斎藤清作品は、陰影による構図の奥行き、存在感の表現をテーマとしています。本作『慈愛(G)』では6人の地蔵が描かれていますが、その些細ながら意識された陰影により、連なるようで別々の表情を持つような、不思議な魅力のある作品となっています。
今回は長年飾られていたことによるシミ等が見受けられましたが、有名作家の木版画ということもあり、こちらの評価とさせていただきました。