皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回お譲りいただきましたお品物はこちら。芹沢銈介 作 型染板絵 『人物図』でございます。
芹沢銈介は1895年生まれ、静岡県出身の染色工芸家で、人間国宝にも認定されています。
沖縄の染め物である「紅型(びんがた)」に出会い、感銘受けて紅型の工房に通うようになり、芹沢は型染を主軸とした染色の道を歩み始めました。
染色家としての芹沢は、豊かな色彩感覚と型に囚われない斬新な構図等で今までにない大胆で新しい作品を次々と発表し、1956年に国の重要無形文化財(人間国宝)「型絵染」の保持者に認定されました。
型絵染は、絵画的表現を追求した型染とも言い換えられます。芹沢の先進的で、なおかつ明快な作風は本作の板絵においても見て取ることができます。際立つ色味で表現された老人はどこか既視感があり、普遍的な共感性の魅力があるように思えます。
今回はサイズの小さな板絵作品であり、少し額装に汚れがあったことを考慮し、こちらの評価とさせていただきました。