畦地梅太郎 『よろこびの山』

今回ご紹介させていただくお品物は、畦地梅太郎 『よろこびの山』になります。

まず初めに畦地梅太郎についてご紹介させていただきます。畦地梅太郎は1902年生まれの版画家です。
愛媛県北宇和郡二名村(現宇和島市三間町)に生まれました。1926年より内閣印刷局にて活版の職に就き、空き時間に職場の道具を用いて鉛版画を描き始めたことから版画へと取り組むようになりました。

一度見たら忘れない個性的な絵柄と、彩度は低めでありながらポップな色使いが特徴で、主に山や親子等の人物、鳥を題材にしています。
日本山岳協会の会員でもあるほど本人も山が好きで、版画家として自然の風景を描く傍ら、全国各地の山へ登っていたといいます。

お譲り頂いた『よろこびの山』は、山男と三羽の鳥が描かれた作品です。鳥は模様から氏の作品に頻出する雷鳥と思われますが、青く塗られたものは珍しく、別種あるいは夏毛を現しているのかもしれません。画面全体が青で統一されており、アクセント的に配置された赤色が画面をぐっと引き締めています。

今回の作品は画面にシミやヤケ等なく美品であったためこちらの評価額となりました。