本作は、陶芸家・高橋誠による六角小筥『野葡萄に山雀図』です。
高橋 誠(たかはし まこと)は、埼玉県出身の陶芸家です。
色絵付や染付の作品を多く手掛け、花鳥を題材とした図柄を得意としました。
白い磁器にマンガンという黒絵具で骨描きを施し、透明感のある色彩を重ねることで、鳥や植物を繊細に表現しています。
本作の六角小筥にも、こうした作風がよく表されており、紅葉した野葡萄の葉や、赤紫・青・黄緑など多彩に色付いた実が描かれた野葡萄の茎にとまる山雀が描かれています。
野葡萄の豊かな色彩と、山雀のやわらかな羽毛が、繊細な色遣いによって描かれています。
野葡萄(ノブドウ)は山野や路端に生育するつる性植物です。果実は緑色から橙、ピンク、赤紫、紫、青など熟す過程で様々な色へ変化し、色の移り変わりが美しさから錦葡萄と称されることもあります。食用葡萄のような果肉はなく、内部はほぼ種子に占められており、鳥に食べられることで分布を広げます。
山雀(ヤマガラ)は、東アジアに分布する留鳥で、雀ほどの大きさを持ち、背と腹部の赤茶色が特徴です。昆虫や木の実を食べ、冬季に向け木の実を樹皮の隙間や土の中に隠す貯食行動を行うことで知られています。
本作は、共箱などの付属品が揃っている点、保存状態を踏まえ、こちらの評価となりました。