皆さんこんにちは、緑和堂関東営業所です。
今回ご紹介する作品は、中川一政のリトグラフ 一茶句「蛙図」です。
中川一政は独学で洋画を勉強していた21歳の時に最初に描いた作品である「酒倉」を巽画会展に出品したところ、岸田劉生に認められたことがきっかけとなり画家を志すようになります。
その後、岸田劉生が組織した草土社の結成に参加し、武者小路実篤、志賀直哉、長與善朗と出会い、その後の1922年には小杉放庵・石井鶴三・木村荘八・岸田劉生・椿貞雄らと共に春陽会の設立に参加します。
また、小杉放庵の肝入りによる老荘会に加わってからは中国の古典に親しむようになり水墨画の個展を1931年に初めて開催するなど、洋画界に地位を築いていくことになります。
98歳を目前にしてまでも創作活動を行い、その作風は東洋画の境地を取り入れた豪快な筆触と、鮮やかな原色対比、大きな画面構成といった主観的な表現が特徴的です。バラを題材にした絶筆も多く、判明している点数だけでも800点を超えており、その中にはゴッホの油彩画であることが判明した絵画がある、中川一政はゴッホへ尊敬の念があったのではないでしょうか。
今回の作品は直筆の作品ではなく、作品下部にエディションナンバーとサインの書かれたリトグラフ作品になります。作品を納める箱が無い状態であり、全面が薄く変色しております。以上を考慮しまして、今回の評価となりました。直筆の作品ですと更に高い評価となります。