皆様、こんにちは。 緑和堂 京都本店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお買取り商品は複製画の平山 郁夫 『月華厳島』です。
平山郁夫は日本美術院理事長や一ツ橋総合財団などで理事等の重要なポストを歴任し、美術界だけでなく教育界にも多大に貢献した日本画家です。東京芸術大学で助手をしていた時に、原爆で被ばくした際の後遺症に苦しみながら描いた三蔵法師をテーマとした仏教伝来で院展に入選しました。
本来朱色である厳島神社が群青色で描かれているこちらの作品。平山ブルーと呼ばれるこの深い青の幻想的な世界は、つい時が経つのも忘れて魅入ってしまいます。
厳島神社は海と陸の堺に建てられているため、潮が満ちると海に浮かんでいるように見えます。こちらの作品は正に月夜に潮が満ちて静寂に包まれた様子が描かれています。月光に照らされた世界遺産、回廊に続く金色にも思わず吸い込まれそうですね。
広島生まれの平山郁夫が美しい瀬戸内海の風景の中で過ごした幼い頃の記憶が、この作品にも息づいているように感じました。
こちらは会社の創業記念の際に作成されたものということでこの評価となります。