皆様、こんにちは。 緑和堂 京都本店でございます。
今回ご紹介させて頂くお品物は、三浦竹軒 作 「仁清写し茶碗」でございます。
三浦竹軒は京都出身の陶芸家で、明治に京焼の窯元、初代三浦竹泉の三男として生まれます。
兄の二代竹泉が早くに亡くなったことで三代竹泉を襲名しますが、二代竹泉の長男に四代竹泉を譲り、独立して初代三浦竹軒を名乗ります。
赤絵や金襴手を得意とし、煎茶道具を主に茶碗や花器、香炉など茶道具類や人物や動物の置物なども制作しました。
また仁清写しや、乾山写しなどの華麗な茶道具の制作に力を注いだことでも知られ、現在でも人気の作家でもあります。
今回のお品物である仁清写し茶碗は、江戸時代に活躍した京焼の名工、野々村仁清の模様を模した絵付けが施された茶碗で、2客で1組になっていました。
一つは『松竹図』で、縁起物の松と竹が金彩で彩れ、竹は一部が緑で描かれており、松も良く見ると金彩のなかに葉の模様が見られます。
一見シンプルに見えますが、金彩の強さを抑えるように少し控えめに、且つ細部まで手を掛けて作られた逸品です。
もう一つは『花筏図』で、花の添えられた筏が優雅に水面を流れる様子が描かれ、ゆったりとした流れを感じられる心地よい絵柄です。
今回は2客とも非常に状態がよく、共箱も綺麗な状態で揃っておりましたので上記の評価を付けさせていただきました。