葛飾北斎の『富嶽三十六景』や、歌川広重の『東海道五十三次』などの、著名な作品が数多く存在する浮世絵は、今や世界的に日本を代表する美術作品として知られています。

現在は美術作品として、国内外の美術館・博物館で大切に保管されていますが、もとは大衆向けに作られたものでした。題材も人気の役者や美人を描いたもの、街道の名所を描いたものなど非常に庶民的で、当時の流行を今に伝える風俗資料という側面も持っています。

江戸から明治へと時代が変わり、次第に新聞や写真の台頭で、浮世絵の需要は低下していきますが、その後も新版画として浮世絵の技法を受け継ぎつつ、新たな作品を多くの作家たちが生み出しました。

また、浮世絵は欧州の芸術家たちにも大きな影響を与えています。ゴッホやモネの浮世絵をモチーフにした作品など、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。画家だけでなく、ガラス工芸家のエミール・ガレも強く影響を受け、自然の生き物や草花を浮世絵的な描き方でモチーフにするなど、当時のヨーロッパ芸術界に、東洋芸術という新しい風を吹き込む存在になりました。

緑和堂では肉筆画から木版画、新版画といった浮世絵作品を広くお取り扱い致します。状態の悪いものでもしっかり鑑定させていただきますので、是非お気軽にお問い合わせ下さい。