皆様こんにちは。緑和堂大阪店です。
今回、出張買取にてお譲り頂きましたお品物はこちら。畦地梅太郎 作『親子の水』でございます。
畦地梅太郎は、愛媛県出身の木版画家です。
梅太郎は当初、油彩画家を志していましたが、1920年に内閣印刷局に入局後に、仕事場にあった材料で鉛版画を試みたことが契機となり、版画家の道を志すようになりました。その後も精力的に活動を続け、1937年からは山を主題にした作品を多数発表し、「山の版画家」として名を馳せていきました。
今回の『親子の水』も、山を主題とした版画です。梅太郎の特徴であるシンプルな線の造形が絵の嫌味を無くし、作品の提示するテーマに視点がフォーカスしやすくなります。親子は何を考えているのか。なぜこの題名なのか。様々なことに考えが巡りますね。
作品下部の「AP」サインは「Artist Proof(アーティストプルーフ)」の略で、本来作家が保存用に持っておくための非売品の版画であることを示します。クオリティとしては数字の当てられたものと相違ありませんが、比べると多少価値は下がってしまいます。
ですが、作品にシミなどもなく、状態が良かったのでこちらの評価とさせていただきました。
緑和堂では版画のほかにも、油彩画・水彩画など様々な絵画作品を集めております。手放しを考えておられる作品がございましたら、ご気軽にお問い合わせください。