皆さまこんにちは、緑和堂京都本店でございます。今回は秦蔵六 作 『立鼓式花器』を紹介させて頂きます。
秦蔵六は江戸時代後期から続く金工家で、初代は鉄瓶制作で有名な龍文堂の弟子として鋳造技術を学び、その後独立して中国の周漢時代の銅器について研究を重ね、中国銅器の写しは他の追随をゆるさないほどの技術を発揮しました。
また、孝明天皇の銅印や将軍徳川慶喜の黄金印を鋳造するなどで名声を上げ、その技術と名声は代々伝承されており、鉄瓶や銀瓶、錫製品などの工芸品を残している名工として活躍しています。
今回の「立鼓式花器」も秦蔵六ならではの中国の古陶器の意匠を活かした撥蠟鋳造法による青銅器で、所々に金箔が張られており格式の高い雰囲気が漂っています。
秦蔵六の作品の中では比較的流通量も多く、共箱などもなかったことから少し評価としては下がっておりますが、それでも有名な作家のもので造の良い点などを含めて評価をつけさせていただいております。
今回のような箱のないお品物でも多数取り扱っておりますので遺品やコレクションなどの整理の際はお気軽にお声掛けください。