今回のお品物はこちら、島岡達三 作『コーヒーセット』でございます。
島岡達三は「縄文象嵌」の人間国宝となっている益子焼の陶芸家です。
1919年に東京愛宕の組紐師である父の元に生まれますが、高校生時代に訪れた日本民藝館で、濱田庄司や河井寛次郎の作品に惚れ込みます。戦後、栃木県益子町へ移住し濱田庄司の門下となり、濱田の指導を受けた後は栃木県の窯業指導所に勤務し、縄文土器の復元などにも携わっています。
この経験が代表的な独自技法「縄文象嵌」の考案へ繋がります。乾燥前の生地に組紐で模様をつけ、その窪みに象嵌を施すことで完成する縄文象嵌。父の組紐技術と、縄文土器に触れることができた達三ならではの発明といえます。この技術のおかげで1996年には重要無形文化財「民芸陶器(縄文象嵌)」の保持者に認定されました。
今作は縄文象嵌が施された7客のコーヒーセットになります。島岡達三の作品は象嵌があり、赤や青などの色が施された赤絵が人気作品となりますが、今作は赤絵でないシンプルな作品となります。また、一客のカップのソーサー部分が不足しており、共箱もない状態でした。使い勝手の良い素敵なコーヒーセットですが、シンプルな作品であること、不足していること、共箱がないことなどを考慮し上記の価格となりました。