皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回ご紹介するお品物はこちら。荻須高徳 作 リトグラフ『石炭屋』でございます。
荻須高徳は、その生涯の大部分をフランスでの制作活動に捧げた洋画家です。
1927年に東京美術学校の西洋画科を卒業した後、フランスに渡り、モーリス・ユトリロや佐伯祐三に影響を受けながらパリの街頭の風景を描いていました。第二次世界大戦中には帰国を余儀なくされますが、終戦後には再び渡仏。その後は一度の帰国を除き、生涯フランスで活動し続けました。
作品のほとんどはフランスの街角が題材となっており、初期は荒々しさがありましたが次第に落ち着いた作風へと変化しています。本作は後年の作品であり、雲に覆われたパリの空とシックな街並が魅力的な原風景として描かれています。
本作は作家の主要なモチーフを扱ったリトグラフ作品であり、シミやヤケ等が見られなかったことを考慮しまして、こちらの評価とさせていただきました。