皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回お譲りいただきましたお品物は、斎藤清 作『凝視(猫)』でございます。
斎藤清は1907年生まれ、福島県出身の版画家です。
幼いころからイラストを描くことを好み、24歳で上京してからも広告業に勤しみつつ独学で油絵を描いていました。
29歳の時から独学で木版画制作を行うようになり、同年には初めての木版画が日本版画協会展入選を果たします。以後、木版画制作へ傾倒するようになりました。
斎藤清の作品には猫がモチーフとしてよく登場します。『凝視(猫)』の名が付く作品はいくつかございますが、赤い背景に黒い猫が、じっとこちらを見つめているという本作は中でもインパクトのある構図に思えます。なんとも言えない目つきに、こちらまで背筋が伸びてしまいそうですね。
今回は作家の象徴となる木版画作品ではないものの、大変状態良く保存されていたことを考慮しまして、こちらの評価とさせていただきました。