今回ご紹介する作品は、池田省吾の『織部酒注』という作品です。
池田省吾は、鹿児島県種子島で作陶活動を行っている日本の陶芸家です。高校時代までは野球に打ち込む日々を送っていましたが、高校卒業後に陶芸を志し、日本デザイナー学院、鹿児島県工業技術センター陶芸部、佐賀県立有田窯業大学で陶芸や絵付けを学びました。その後、川添貞秀に師事し、2000年に種子島に自身の「穴窯」と「蛇窯」を築いて独立しました。種子島の土を用いた織部や唐津、
焼き締めなどの技法を用い、「自由に楽しく思うがままに…」をモットーに制作を行っており、定期的に個展活動を開催しています。
本作は、池田省吾氏による織部焼の酒注です。器の表面には、歌舞伎の隈取(くまどり)を思わせる、見得(みえ)を切った役者の顔が緻密かつダイナミックに描かれており、伝統的な焼き物の技法に現代的な絵付けを融合させた意匠が特徴です。また、鮮やかな緑色の釉薬(織部釉)が注ぎ口や器の縁などにも施され、作品全体のアクセントとなっています。そして器の中にも役者の顔が見つけられるなど、遊び心あるお品物にも感じられます。
こちらのお品物は保存状態も良好で、加えて共箱が付属していることから、上記の評価額となりました。