皆様こんにちは、緑和堂東京支店です。
本日ご紹介する作品は、「久隅守景筆 藤村庸軒八十七歳像 庸軒賛」です。
このタイトルを要約させていただきますと、久隅守景が87歳の藤村庸軒の姿を描き、その絵に庸軒が賛辞を送り、庸軒が自作の詩を書き記した作品になります。
ではタイトルに出てきた二人の人物について少しお話させていただきます。
久隅守景は狩野探幽の弟子で狩野派一門内の逸材とされていました。狩野探幽四天王の一人とされ、探幽の姪にあたる国と結婚し、探幽の名守信から一字をもらい守景と名乗ったと言われています。このように狩野派の有望株であった守景ですが、息子と娘の不祥事が相次ぎ狩野派と距離を置くこととなりました。
もう一人の藤村庸軒は、千利休の孫にあたる千宗旦の直弟子であり、宗旦四天王の一人とされています。表千家久田流の初代久田宗栄の次男として生まれ、呉服屋の藤村家の養子になったとされています。卓越した美的センスを持ち、儒学、漢学、和学に精通する広い教養を持ち、茶道だけでなく、漢詩・和歌・作庭・花道・茶具の製作に才能を発揮した人物です。表千家の流れをくむ庸軒流の開祖でもあります。
そんな、狩野探幽四天王の久隅守景と、千宗旦四天王の藤村庸軒が一緒に作り上げた作品が今回の商品になります。久隅守景はこの作品を1698年に描いたとされ、その後亡くなったと記録されています。この作品が久隅守景が最後に描いた作品だったかもしれません。そのことを踏まえ上記の評価額となりました。
久隅守景と藤村庸軒はそれぞれが知名度のある作家です。
単体の作品でも高評価が期待できる作家です。シミや汚れが合ってもお取扱いさせていただきます。お手元に商品をお持ちでしたら、是非弊社緑和堂をご利用ください。