皆さん、こんにちは緑和堂大阪支店です。今回ご紹介させて頂くお品物は黒木国昭 作 干支 銘 金彩象嵌 光琳『丑』です。まずご存知の方も多いかもしれませんが作家の黒木国昭のご紹介をさせて頂きます。
黒木国昭は宮崎のガラス工芸家です。
西洋のガラスの中に日本の美を組み入れた色鮮やかな作品は、見る者を虜にします。黒木は1945年に九州・宮崎で生まれ、高校卒業後はガラス製造会社に勤務していました。1974年に独自のガラス制作を始めます。間もなく国内のガラス作品展へ出品を行うようになり、1984年にガラス工芸家として独立しました。その作品は海外でも評価されるようになり、世界各地で作品展が行われるようになります。また、技術が途絶えていた薩摩切子の復元にも尽力しました。
1991年、その優れた技能が評価され、国の卓越技能者表彰「現代の名工」を受賞します。その後も現在に至るまで世界各地の美術展覧会で、数々の賞を獲得しています。作品にはいくつかのシリーズがあり、日本伝統の美を再現した「琳派」、浮世絵などの図柄を描く「日本の歴史ロマン」、四季折々の草花や生き物がモチーフの「新世紀ロマン」、洗練された線が刻まれた「綾切子」などが代表的です。
今回のお品物である光琳『丑』は別の記事でご紹介させて頂きました『光琳 夢ロマン』と同じように美しい装飾のなされた琥珀色のガラスが丑の中に入っているような作りとなっています。そして角には金彩が施してあります。また丑の体を流線形で見事に再現している点も丑の筋肉のしっかりした印象を受け、この作品の完成度を大きく上げていると感じます。
今回のお品物は有名で人気のある作家の作品であることに加え状態も足や角の破損など無く傷や汚れ等が少なかった為こちらの評価となりました。保存状態によっては評価は変動致します。ご了承下さい。