皆さんこんにちは、緑和堂でございます。
今回ご紹介するのは『ジュモー ビスクドール リプロ』です。
ジュモーは19世紀フランスのビスクドールを代表する工房の一つです。
当時の人形は服を着飾る為の言わばマネキンのようなもので人形自体を愛でることはほとんどありませんでしたが、工房の創始者であるピエール・ジュモーは人形自体の制作に力を入れ、衣装だけでなく人形の美しさも評価されるようになりました。
ピエールの後を継いだ息子のエミールも優れた作家で、ファッションドールの優美さを引き継ぎつつもベベドール(子どもの姿をした人形)のあどけない姿は数々の賞を受賞するなど、人形産業の発展と確固たる地位を築くことに大きく寄与しました。
ベベドールは当時の貴族や上流階級の子女向けに作られていたこともあり優美で格式が高く、ブリュ、ゴーチェなどと並んで人気の高いジュモーの作品は現在でも多くのリプロ(復刻版)の作家や工房が制作しており、あどけないその表情は世界中の多くのファンを虜にしています。
今回のお品物もリプロのコレクションドールですが、ジュモーのあどけなくも気品に満ちた姿やドールアイの吸い込まれるような目の力が魅力的なお品でした。
こちらはボディ自体のダメージは目立つほどはありませんでしたが、内側の服にシミが多く見られたことも含めて今回の評価としています。
ビスクドールは服にシミが出たり破れたりしてしまってもファンの中では自分で着せ替えるといった楽しみ方もあるので、そういったお品物でもご遠慮なく緑和堂までお声掛けいただければと思います。