皆様、こんにちは!緑和堂東京支店でございます。
今回お客様からお譲りいただきましたお品物はこちらです!
服部峻昇 作『遊 観月会』でございます。
服部峻昇は1943年生まれの京都を代表する漆芸家です。
1964年塗師の上原清に師事し、翌年には漆芸家の番浦省吾に師事しています。工芸展などで数々の賞を受賞しながらヨーロッパ、アメリカ、中国、韓国などを渡り技を磨いてきました。1988年に峻昇に改名。1995年にローマ法王ヨハネ・パウロ二世に謁見し漆の典書台を献上します。2004年に京都迎賓館主賓室の主賓室に 飾棚「波の燦」を制作。
「日本の伝統文化である漆を使い、平安の昔に確立された技法 を伝承しながら、現代に通用する用途性を追求したいと思っています」と語る峻昇の作品は、伝統的な漆作品にとどまらず、螺鈿や玉虫などの光彩を活かした作品が多く見る人を魅了しています。
美しい作品を作り上げる為、自ら材料を厳選。国産の漆をはじめ、扱う材料はどれも希少な天然素材ばかりです。天然素材故に色味や形の厳選に労を要しますが、自然にしか映し出せない虹光の美しさに人々は目を奪われることでしょう。
今作は峻昇の衝立になります。月を眺めることを題材としたこちらの作品は、日本画的な絵柄に大きく幻想的な月の美しさが際立ち見る人の目を瞬時に奪う素敵な作品です。そして、こちらは以前の持ち主のお客様のお話によると峻昇の初期の頃の作品になるのだと思われます。初期の作品は希少価値としては高いのですが、作家の実力は晩年になるにつれて技術が向上すると言われているため初期よりも晩年作の方が好まれる傾向があります。
また、峻昇の作品は螺鈿などを多く使用した作品が大変人気ですが、今作は螺鈿があまり使われていない作品であり、絵付けによって豪華さや美しさを表現しております。その為、初期の作品であること、螺鈿などが少ないこと、共箱がないことなどを考慮し、上記の価格となりました。