皆様こんにちは緑和堂東京支店です。
本日ご紹介する作品は、塚本快示 作 『青白磁湯呑』です。
塚本 快示は人間国宝に認定されている日本の陶芸家です。 塚本快示は岐阜県土岐市に生まれ、実家が累代製陶を営んでおり、幼少の頃より作陶姿を目にしており、自然とその世界を目指す志を持ち始めたと言われています。
1927年頃より父の手伝いで作陶を開始しました。1950年に小山冨士夫を知り、以後指導を受けるようになります。同じ年に中国北宋時代の白磁や青白磁の研究を始めるようになり、 1961年には、 第10回日本伝統工芸展に初入選を果たし、陶芸界で大きな存在となります。その後、カリフォルニア博覧会で金賞を受賞、第12回日本伝統工芸展日本工芸会会長賞の受賞など確かな実績を残します。功績が認められ1973年に岐阜県重要無形文化財「青白磁」保持者に認定、1983年に「白磁・青白磁」の人間国宝に認定されるなど輝かしい経歴を重ねました。
白磁と青白磁は釉薬に含まれる微量な鉄分量の違いで生まれる変化で密接な関りがあります。その為塚本快示は白磁と青白磁を合わせた技術者として人間国宝となっています。
今回の商品は、そんな塚本快示の青白磁の湯呑になります。
白磁でも青磁でもない青白磁ですが、こちらは青磁に似ているものにはなりますが、別の物になります。青白磁は名前の通り淡青色と白色が主体で、清涼感のある風合いが特徴です。一方、青磁は深い青緑色を呈し、落ち着いた印象を与えます。
製法の違いも大きなポイントです。青白磁は、粘土に酸化銅を添加することで青色を出します。一方、青磁は、粘土そのものに銅を混ぜ込むことで青緑色を出します。また、文化的背景にも青白磁は元来、中国の高級陶磁器として広く知られ、青磁は、日本独自の茶の湯文化の中で重要な位置を占めてきました。
上記のことを踏まえて考えると、重要無形文化財になった白磁と青磁ではなく青白磁というジャンルの作品となっており、塚本快示の作品の中では評価が少し下がる傾向となっています。しかし、塚本快示の青白磁の技術も高く美しい作品となっていることや、作家としての人気の高さから上記の評価額とさせていただきました。