皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回ご紹介するお品物はこちら。赤石文雄 作『裸婦』でございます。
赤石文雄(あかいし ふみお)は鳥取県出身のパステル画家です。
大阪大学理学部在学中から絵の制作を始め、卒業後にヨーロッパ各地の取材旅行に赴きます。その翌年からは二紀展をはじめとした展覧会に出品し、多くの賞を獲得。一気に作家としての頭角を現していきました。1989年には現代パステル協会展で大賞を受賞しております。
赤石が得意とするのは女性画です。とりわけ少女を画題としたものが多く、裸婦に関しては1989年にパステル画集「裸婦」を出版しているように、赤石の中でも代表的なモチーフだといえるでしょう。
本作も裸婦画となり、まだどこかあどけなさの残る少女が画題となっております。細密な塗りにより表現された写実性、また背景の重めかつ鮮やかでサイケデリックな色使いは、形容しがたい気品を少女に感じさせます。
今回は作家の代表的なモチーフの作品であったこと、作品自体の状態が比較的良かったことを考慮し、こちらの評価とさせていただきました。