斎藤清 『KATSURA KYOTO』

斎藤清（さいとう きよし）は、福島県会津坂下町出身の日本の版画家で、20世紀を代表する木版画家の一人です。特に、モダンで洗練された構図と大胆な陰影表現で国際的に高く評価されました。

『KATSURA KYOTO（桂・京都）』 は、彼の代表的な京都シリーズの一つで、桂離宮を題材にした木版画です。桂離宮の持つ静謐さ、建築の直線美と庭園の柔らかさを、斎藤独特のモダンで抽象性のある表現で描いています。

シンプルな線と大胆な面構成、抑制された色調で、桂離宮の静かな空気を強調しています。

斎藤清は「京都シリーズ」を多数制作していますが、その中でも桂離宮を題材にした本作は、伝統的な日本建築の美を近代的なデザイン感覚で捉え直したものとして高く評価されている点、状態の良さを考慮してこちらの評価となりました。